空き家の倒壊は誰の責任?倒れる前に届く知らせと所有者の動き方

空き家の倒壊は誰の責任?倒れる前に届く知らせと所有者の動き方

空き家の倒壊が心配な所有者の方、とくに相続した家に通えていない方に向けて、責任の範囲と倒れる前の動き方を整理した記事です。

僕は2016年から6年間、大手の不動産・建築会社で土地活用の営業をしていました。空き家を訪ねて回り、隣に住む方から困りごとを聞かせてもらっていたのも、その当時です。

空き家の倒壊を調べると、損害賠償の話や、換気と点検のやり方が見つかります。2026年10月には、大阪市で空き家が崩れてがれきが道路をふさいだと報じられました。ただ、離れて暮らす所有者が家の傷みをどうやって知るのかは、制度の解説だけでは見えてきません。

先に結論を書いておきますね。空き家の管理に問題があって倒壊し、他人に損害が出たときに責任を負うのは、今の所有者です。相続登記をしていなくても、遠くに住んでいても、この立場は変わりません。防ぐための一歩目は、隣の方や市区町村からの知らせが自分に届く状態を作ることで、そのうえで直す・壊す・手放すを選んでください。

この記事で扱うのは、責任を負う人、知らせが届く状態の作り方、放置したときに進む手続き、直す・壊す・手放すの選び方の4つです。解体工事の段取りと、持ち続ける場合の費用の内訳は、別の記事にまとめました。

制度の記述は、国土交通省・法務省・国税庁の案内と、e-Gov法令検索の条文で確かめています。2026年10月時点の内容としてお読みください。

空き家の倒壊は誰の責任になるのか

空き家の倒壊は誰の責任になるのか

空き家の倒壊で隣の家や通行人に損害が出たときに、賠償の責任を負うのは、原則としてその空き家の所有者になります。民法717条が、建物などの設置や保存に問題があって他人に損害が出た場合の責任を、占有者と所有者に負わせているからです。

条文の順番では、先に責任を負うのは、建物を実際に使っている占有者になります。占有者が損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは、所有者が賠償しなければなりません。

誰も住んでいない空き家には、所有者のほかに占有者がいないのが普通でしょう。しかも、所有者については、注意をしていたことを理由に責任を免れる定めが置かれていないんです。

あなたの立場が下の表のどの行に当たるのかを、先に確かめてください。

あなたの立場倒壊の責任との関係根拠
登記の名義人で、今も持っている所有者として責任を負う立場民法717条
親が亡くなり、相続登記をしていない相続が始まった時から、親の権利と義務を引き継いでいる。登記の有無では変わらない民法896条
兄弟姉妹などと相続し、分け方が決まっていない相続人全員の共有になり、全員が所有者の立場に立つ民法898条
相続放棄をした放棄の時にその家を現に占有していた人は、引き渡すまで保存する義務が残る民法940条

表の2行目と3行目に当たる方は、「名義は親のままだから自分は関係ない」とは言えない立場です。誰がどれだけ負担するのかは個別の事情で変わるため、弁護士に確かめてください。

倒壊が心配な家でも、土地と建物にいくらの値が付くのかが分かると、直すか壊すか手放すかを比べやすくなります。無料査定と0円空き家管理を受け付けていますので、お問い合わせから、家の所在地と今の状態を教えてください。

遠くに住んでいて知らなかった場合も、責任を負うのか

民法717条は、所有者が遠くに住んでいたことや、傷みを知らなかったことを、責任を免れる理由として挙げていません。問われるのは、建物の設置や保存に問題があったかどうかです。

空家法も、空き家の所有者に対して、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切な管理に努めることを求めています。通えない事情があっても、管理する立場そのものは所有者に残るわけです。

損害の大きさについては、公益財団法人日本住宅総合センターが2012年度の調査で出した試算が参考になります。空き家が倒れて隣の家が全壊し、住んでいた家族3人が亡くなったという想定で、損害額は合計2億860万円でした。

この金額は10年以上前の想定にもとづく試算で、実際の事故の賠償額ではありません。責任を負うかどうかと金額は、建物の状態や被害の中身で変わるので、個別の見立ては弁護士に相談しましょう。

相続登記をしていない家や共有の家は、誰が所有者になるのか

親が亡くなった家は、相続登記をしていなくても、相続が始まった時から相続人のものになります。相続人が何人もいて分け方が決まっていない間は、全員の共有です。

登記の名義が親のままでも、倒壊の責任を考えるうえでの所有者は、今の相続人になります。名義を変えていないことは、責任を軽くする事情にはなりません。

相続登記そのものにも期限があり、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が義務になっています。義務化より前に始まった相続にも適用され、その場合は2027年3月31日が期限です。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。

登記が済んでいない家を売る場合の進め方は、相続登記が未了の実家は売却できるか|2027年3月の期限までに動く順番と、決めきれない人の5つの出口で確かめられます。

相続放棄をすれば、倒壊の責任はなくなるのか

相続放棄をすると、その人は初めから相続人ではなかったものとして扱われる決まりです。放棄ができるのは、原則として、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に限られます。しかも、放棄をすればその日から家と無関係になる、とは言い切れません。

民法940条は、放棄の時にその財産を現に占有している人に、相続人か相続財産の清算人に引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で保存する義務を課しています。親の家に住んでいた人や、鍵を持って管理していた人は、この点を確かめる必要があるでしょう。

自分が「現に占有している」に当たるのかどうかは、家との関わり方で判断が分かれます。放棄を考えている方は、家庭裁判所に申し立てる前に、弁護士か司法書士に相談してください。

空き家の倒壊を防ぐ一歩目は、知らせが届く状態を作ること

空き家の倒壊を防ぐ一歩目は、知らせが届く状態を作ること

空き家の倒壊の前には、屋根の変形、外壁のはがれ、建物の傾きといった前ぶれが出ることがあります。離れて暮らす所有者が先にやるのは、その前ぶれを見た人からの知らせが、自分に届く状態を作ることです。

僕が土地活用の営業をしていた当時、空き家を見つけると現地を訪ね、隣に住む方に「お隣はどなたかお住まいですか」と尋ねて回っていました。そのときに聞かせてもらったのが、隣の空き家についての困りごとです。

手入れのされていない古い家は火事が怖い、虫がわく、物を捨てていかれる、という声がありました。空き家の木が斜めに倒れてきて、自分の家の建物に触れている、という話も聞いています。

その中には、隣の空き家の持ち主が誰なのか分からない、と話す方もいました。相続登記が義務になる前のことで、持ち主の分からない空き家が実際にあったんです。

当時の決まりでは、越境してきた木は他人の持ち物で、隣の方が勝手に切るわけにはいきませんでした。持ち主が分からなければ、切ってほしいと伝える相手もいないことになります。

持ち主をたどれない空き家については、相談を受けても、営業の僕たちには対応のしようがなかったんです。周りの方も、分からないなら仕方がないという空気になり、放置が続いていくのが当時の現場でした。

僕が聞いたのは木の越境や虫、火事への不安で、建物が倒れた現場に立ち会ったわけではありません。ただ、屋根瓦のずれや壁のふくらみを毎日目にしているのも、同じ隣の方です。

前ぶれを見ている人と、直せる立場の所有者がつながっていないこと。ここが、離れた空き家で倒壊を防ぎにくくなる入口になります。

倒壊の前ぶれを先に見つけるのは誰か

国土交通省の案内には、空き家を放置した場合に起きることとして、倒壊、外壁の落下、枝のはみ出しなどが挙げられていますね。どれも、外から見て分かる変化が先に出るものです。

年に数回しか通えない所有者は、その変化を見逃しやすいでしょう。毎日その家を見ているのは、両隣と向かいに住む方です。

隣の方が変化を見つけても、所有者の連絡先を知らなければ、伝える先は市区町村の窓口だけになります。市区町村があなたにたどり着けなければ、知らせはそこで止まってしまうんです。

知らせが届く道は、誰に何を渡せば作れるのか

知らせが届く道は、1本だけに頼らないでください。渡す相手と渡すものを表にしました。

渡す相手渡すもの届くようになる知らせ
両隣と向かいの方名前、電話番号、住所を書いた紙と、次に来る予定瓦のずれ、壁のはがれ、傾き、木や草のはみ出し
市区町村の空き家の担当窓口所有者や相続人であることと、今の連絡先近所から寄せられた相談、指導の前の連絡
市区町村の固定資産税の担当納税通知書の送り先。親が亡くなった家なら、今の所有者の申告納税通知書と、同じ宛先に届く市区町村からの手紙
法務局相続登記と、住所が変わったときの変更の登記登記を見て所有者を調べた人や市区町村からの連絡

いちばん早く効くのは、1行目の隣の方です。現地に行った日に声をかけ、連絡先を書いた紙を手渡してください。

2行目の受け付け方は、市区町村ごとに違います。3行目の「今の所有者の申告」は、登記の名義人が亡くなっている家について、市区町村が条例で求めることができる申告です。

市区町村は、空き家の所有者を調べるために、固定資産税の情報を使えると空家法に定められています。納税通知書の送り先を今の住所にしておくことは、連絡の道を1本増やすことにもなるわけです。

登記の名義と住所が古いままだと、何が届かないのか

登記の名義が亡くなった親のままだったり、住所が昔のままだったりすると、登記を見た人はあなたにたどり着けません。隣の方が登記を調べても、知らせの宛先は分からないままです。市区町村も、戸籍などをたどる分だけ、あなたに届くまでに時間がかかります。

住所や氏名が変わったときの変更の登記は、2026年4月1日から義務になりました。変更の日から2年以内に申請する決まりで、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象です。

2026年4月1日より前に住所が変わっていた方も対象で、こちらの期限は2028年3月末になります。法務省は、一度手続きをしておけば、その後は法務局の側で変更の登記をする仕組みも案内していますよ。

登記の手続きは、司法書士に相談できます。倒壊が心配な家ほど、名義と住所の2つを先に今の状態に合わせておきましょう。

当時、草を抜きに来る方や、ポストのチラシを片付けに来る方がいる空き家は、家の前で待っていれば会える見込みがありました。登記を見ても持ち主をたどれず、誰も通って来ない空き家は、こちらから追いかける手立てがなかったんです。行ける日が年に数回でも、行った日に隣の方へひと声かけて、連絡先を渡しておいてください。

空き家の倒壊を放置すると、市区町村と隣の方の側で手続きが進む

空き家の倒壊を放置すると、市区町村と隣の方の側で手続きが進む

倒壊のおそれがある空き家を放置すると、市区町村は空家法にもとづいて、指導から順に手続きを進めます。所有者に連絡がつかない場合でも手続きは止まらず、かかった費用は所有者の負担になる決まりです。

市区町村からの通知は、どの順番で届くのか

空家法の手続きは、家の状態に応じて2つの段階に分かれています。

段階どんな状態か市区町村がすること所有者に起きること
管理不全空家等放置すれば特定空家等になるおそれがある指導→改善されなければ勧告勧告を受けると、敷地が住宅用地の特例の対象から外れる
特定空家等放置すれば倒壊など保安上著しく危険になるおそれがある、など助言・指導→勧告→命令→行政代執行勧告で特例の対象から外れる。命令に違反すると50万円以下の過料。代執行の費用は所有者から徴収される

空家法の手続きの中で税の扱いが変わる引き金は、どちらの段階でも「勧告」です。指導の段階で市区町村の担当に連絡を取り、直す予定を伝えれば、次の段階へ進む前に手を打てます。

ただし、勧告を受けていなければ特例が続く、とは限りません。国土交通省の指針は、必要な管理を怠っていて今後人が住む見込みがないと認められる家屋などの敷地には、そもそも住宅用地の特例が適用されないとしています。

国土交通省と総務省の調査によると、2024年度に全国で行われた特定空家等への勧告は600件、命令は101件、行政代執行は71件でした。管理不全空家等への勧告も378件あり、手続きは実際に動いています。

住宅用地の特例は、住宅が建っている土地の固定資産税の課税標準を、200㎡以下の部分は6分の1に、200㎡を超える部分は3分の1にする仕組みです。持ち続ける場合に1年でかかる費用の全体は、空き家の維持費はいくら?削ってよい費用と相続後に払う人にまとめました。

所有者に連絡がつかない空き家は、どう扱われるのか

所有者に連絡がつかない空き家でも、手続きは進められるようになっています。登記や戸籍などを調べても命令の相手の名前や所在が分からないときは、市区町村が、あらかじめ公告をしたうえで必要な措置をとれるからです。

この場合の費用も、所有者の負担と定められています。2024年度には、この形の代執行が全国で81件ありました。所有者は分かっているのに返事がない、という場合は、指導から代執行までの通常の順番で進みます。

市区町村は、裁判所に対して、空き家を管理する人の選任を求めることもできます。民法には、所有者が分からない建物や、管理が不適当な建物について、利害関係のある人の請求で裁判所が管理人を選ぶ制度があるんです。

隣に住む方がこの請求をできるかどうかは、裁判所が利害関係を見て判断します。越境した木の枝についても、今の民法は、所有者が分からないときや急迫の事情があるときなどに、隣の土地の所有者が自分で切り取れると定めているんです。

2章に書いた当時は、越境した枝を隣の方が自分で切ることはできない、というのが僕の理解でした。今は、連絡がつかない所有者でいると、家の扱いが自分の知らないところで決まり、費用の請求だけが後から届くことになりかねません。

知らせや通知が届いたら、何から動けばよいのか

届いたものごとに、先にすることを並べました。

届いたもの先にすること相談する相手
隣の方からの連絡お礼を伝え、見に行く日を知らせる。行けないなら写真を頼み、応急の手当てを業者に依頼する工務店、空き家の管理業者
市区町村からの手紙や指導担当の課に電話をし、どこをどう直せばよいのかを聞く市区町村の担当、建築士
勧告書面に期限があればその日までに、求められた措置をとる。難しいなら、理由と見通しを担当に伝える市区町村の担当、解体業者、不動産会社
命令の前の通知意見書を出せる期限を確かめ、すぐに専門家へ相談する弁護士

どの段階でも、返事をしないことがいちばん不利に働きます。方針が決まっていなくても、見に行く日と連絡先だけは先に伝えてください。

通知が届いてから動く場合も、家の値段の見当が付いていると、直す費用や壊す費用と比べやすくなります。無料査定と0円空き家管理の窓口では、市区町村から手紙が届いた家のご相談も受けていますので、お問い合わせからご連絡ください。

空き家の倒壊が心配なとき、直す・壊す・手放すをどう選ぶか

空き家の倒壊が心配なとき、直す・壊す・手放すをどう選ぶか

知らせが届く状態を作ったら、次は家そのものをどうするかを決めます。選ぶ材料は、建物の傷み具合、通える回数とこの先使う予定、土地に買い手が付く見込みです。

家とあなたの状態候補先に確かめること
傷みが軽く、月に1回ほど通える。使う予定がある管理を続けながら直す点検する場所と、通えない月の頼み先
傷みは軽いが通えない。使う予定がない建物を残したまま売る査定額と、売れるまでの管理の頼み先
傷みが進み、直す費用が大きい。土地には買い手が見込める壊してから売る。または買主が壊す前提で売る壊す時期と、税の特例の要件
傷みが進み、買い手が見つかりにくい買取を頼む。隣の方に声をかける買取の条件と、引き渡した後の責任の範囲

どの行に当たるのかは、建物を見ないと決められません。屋根、外壁、基礎の状態は、建築士や工務店に見てもらってください。

管理を続けるなら、何をどこまでやるのか

当面は壊すことも売ることもできない場合について、国土交通省は、適切な管理の指針と「空き家管理チェックリスト」を公開しています。点検する場所を自分で決める前に、このチェックリストに目を通してみましょう。

自分で通えない方は、点検と補修を頼む先を決めることが管理の中身になります。国土交通省も、遠くに住んでいて管理が難しい場合には、空き家の管理業者や修繕業者の利用を検討するよう案内しているんです。

管理を続けると決めたら、いつまで続けるのかも一緒に決めてください。期限を置かない管理は、傷みが進むのを先送りするだけになりかねません。

壊すなら、時期と税で何に注意するのか

建物を壊せば、倒壊そのものは起きなくなります。一方で、住宅が建っている土地に適用されていた固定資産税の特例は、壊した後の土地には適用されません。

固定資産税は毎年1月1日時点の状態で決まるので、壊す時期は税の負担と合わせて考えてください。解体工事の前に決めておくことは、実家の解体を頼む前に|境界・近所への挨拶・壊す時期にまとめています。

相続した空き家を売る場合には、利益から最高3,000万円までを差し引ける特例があります。国税庁の案内では、壊してから土地を売る場合のほか、売った後の決められた期限までに建物を壊した場合も、要件を満たせば対象です。

この特例には期限が2つあり、相続が始まった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までで、かつ2027年12月31日までに売ることが条件になります。ほかの要件も細かいので、空き家の3,000万円控除は何が変わった?|2026年8月の要望での変更点と対象外の5つの出口を解説で全体を確かめたうえで、税理士に相談しましょう。

手放すなら、傷んだ家でも売れるのか

傷みが進んだ家でも、土地に買い手が付く場所なら、売る方法は残っています。建物を残したまま売るのか、壊してから売るのかは、査定を取って比べてください。

一般の買い手が見つかりにくい家は、不動産会社による買取や、隣の方への声かけも候補になります。隣の方に連絡先を渡してあれば、この話も切り出しやすいはずです。

買取は、早く手放せる代わりに、価格や条件で確かめる点があります。契約の前に見ておくことは、空き家買取のデメリットは何?契約前に減らせる点と残る点を読んでみてください。

直すか壊すか手放すかで迷っている方も、今の家の値段を知るところから始められます。無料査定と0円空き家管理でお手伝いしていますので、お問い合わせから、建物の傷みで気になっている点をお聞かせください。

当時、隣の空き家の木が越境してきて困っている、という話を聞いたときは、気の毒だと感じたのを覚えています。持ち主が分からなければ、切ってほしいと頼む相手がいないからです。どの道を選ぶかで迷っている間も、隣の方には、考えている最中であることと連絡先だけは伝えておきましょう。

まとめ

まとめ

空き家の管理に問題があって倒壊し、他人に損害が出たときに責任を負うのは、今の所有者です。相続登記をしていない相続人も、共有している相続人も、所有者の立場に立ちます。

倒壊を防ぐ一歩目は、前ぶれを見た人からの知らせが届く状態を作ることでした。隣の方に連絡先を渡し、市区町村と登記の宛先を今の状態に合わせておいてください。

放置を続けると、市区町村は指導、勧告、命令、代執行の順に手続きを進めます。連絡がつかない所有者でも手続きは止まらず、費用は所有者の負担です。

空き家の倒壊への備えは、建物の点検より前に、連絡がつく所有者でいることから始まります。そのうえで、傷み具合、通える回数や使う予定、買い手の見込みを見て、直す・壊す・手放すを選びましょう。

よくある質問

よくある質問

質問1|隣の空き家が倒れそうなとき、隣に住む人は何ができますか?

まず、市区町村の空き家の担当窓口に相談できます。法務局で登記事項証明書を取れば、登記されている所有者の名前と住所を調べることも可能です。所有者が分からない場合などには、利害関係のある人として、裁判所に管理人の選任を求められる制度もあるので、弁護士に相談してください。

質問2|空き家を壊して更地にすれば、責任の心配はなくなりますか?

建物の倒壊は起きなくなりますが、土地の管理は残ります。民法717条は、木の植え方や支え方に問題があって他人に損害が出た場合にも、同じ責任を定めているからです。更地にした後も、草木や塀の状態は見ておきましょう。

質問3|相続人が何人もいる空き家は、誰が修繕を決められますか?

屋根の応急の補修のように、建物を今の状態で保つための行為は、共有者の1人でも行えます。一方で、建物を壊すような変更には、ほかの共有者の同意が必要です。どこまでが1人でできる行為に当たるのかは、司法書士か弁護士に確かめてください。

出典

出典:e-Gov法令検索「民法」

出典:e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」

出典:e-Gov法令検索「不動産登記法」

出典:e-Gov法令検索「地方税法」

出典:国土交通省「空き家を放置するリスク(空き家対策特設サイト)」

出典:国土交通省「空家法とは(空き家対策特設サイト)」

出典:国土交通省「空き家の管理のやり方(空き家対策特設サイト)」

出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」

出典:国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針」

出典:法務省「相続登記の申請義務化について」

出典:法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」

出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

出典:公益財団法人日本住宅総合センター「空き家(放置家屋)事例」

賠償の責任や相続放棄は弁護士、登記は司法書士、税金は税理士、建物の傷みの見立ては建築士や工務店が相談先になります。

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高槻 翔太
元・土地活用コンサルタント。宅地建物取引士(試験合格) ・FP2級保有 。 2016年より、大手不動産・建築会社で、土地有効活用のコンサルティング営業を6年間しており、地主様の資産運用・相続税対策を支援 。 現在は不動産特化の専門家として、SUUMOや朝日新聞社「相続会議」など大手メディアを中心に累計1,500記事以上を執筆・監修 。 現場で見てきた「放置空き家の悲劇」や「兄弟間の相続トラブル」を防ぐため、綺麗事抜きで「1円でも多くお金を残し、ご縁を守る」ための本音のノウハウを発信中。 >> 詳しいプロフィールと当サイトの理念はこちら