空き家の片付け業者は立ち会えない前提で選ぶ|鍵・探し物・掃除

空き家の片付け業者は立ち会えない前提で選ぶ|鍵・探し物・掃除

実家を相続したものの、自分は遠くに住んでいて、家の中には家財が残ったまま。片付けは業者に頼むしかないと決めたけれど、作業の日に仕事を休んで何度も通うのは難しい。そうした方に向けた記事です。

2016年から6年間、僕は大手の不動産・建築会社で、地主の方を相手に土地有効活用のコンサルティング営業をしていました。空き家の片付けを自分で業者に頼んだ経験はありません。この記事は、総務省が遺品整理の事業者69社を調べた報告書と法令を土台に、実務で見てきたことを添えて整理したものです。

結論から書きますね。空き家の片付け業者は、持ち主が立ち会えない前提で選んで、頼み方を組み立てるものです。住んでいる家の片付けなら、その場で「これは残して」と言えます。空き家ではそれができないので、鍵、探し物、作業後の確認を、先に書面と段取りで決めておく必要があるんです。

総務省の報告書でも、依頼者が故人と別居しているケースが多く、事業者が把握している依頼の理由も「遠方」がいちばん多かったとされています。遠くから頼むのは、特別な事情ではありません。

この記事では、空き家ならではの3つの条件から入り、頼み先の決め方、鍵の預け方、探し物の頼み方、作業日までの準備、作業後の確かめ方、掃除の範囲、売却や管理との段取りの順に進みます。

法令と調査結果は、e-Gov法令検索と総務省の公表資料で確かめたものだけを載せました。2026年9月時点の内容としてお読みください。

空き家の片付け業者を選ぶ前に知っておく、住んでいる家と違う3つの条件

空き家の片付け業者を選ぶ前に知っておく、住んでいる家と違う3つの条件

空き家の片付けは、作業そのものは住んでいる家の片付けと変わりません。違うのは、作業を取り巻く条件のほうなんですね。この3つを押さえておくと、業者に何を聞けばいいかが見えてくるはずです。

条件1|持ち主がその場にいない

住んでいる家なら、作業の途中で業者から「これはどうしますか」と聞かれても、その場で答えられますよね。空き家では、聞かれても答える人が家の中にいません。

判断を当日に持ち越せないので、残す物と出す物の線引きを、作業の前に全部渡しておくことになります。鍵の受け渡しも、作業後の確認も、離れた場所から手配する形です。

条件2|中に何があるのか、持ち主も把握していない

親が一人で暮らしていた家や、長く閉めていた家では、押し入れや物置の奥に何があるのかを家族も知らないものです。把握していない物は、指示書にも書けません。

だから「探してほしい物」と「見つかったらどうするか」を、業者に先に伝える必要が出てきます。探し物の頼み方は、4章で扱いますね。

条件3|片付けが終わっても、家は残る

住んでいる家の片付けは、終われば一区切りです。空き家は、片付けたあとも売れるまで、あるいは壊すまで、誰かが持ち続けることになります。

空家等対策の推進に関する特別措置法は、空き家の所有者や管理者に、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切な管理に努めることを求めています。片付けの業者を選ぶときも、その後の管理や売却までを一続きで考えておくと、段取りに無駄が出ません。

出典:e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」

空き家の片付け業者は、頼みたいことから種類を決める|4つのパターン

空き家の片付け業者は、頼みたいことから種類を決める|4つのパターン

片付けを請ける会社は、元の業種がばらばらです。総務省の報告書によれば、調査に協力した事業者の約7割は他の業種から遺品整理に参入していて、元の業種には廃棄物処理業、道路貨物運送業、ハウスクリーニング、冠婚葬祭業、建設業、便利屋などが挙がっています。

会社の看板を見比べるより、自分が何を頼みたいのかを先に決めたほうが、候補が絞れます。

頼みたいこと向いている頼み先確かめること
運び出して処分するだけ一般廃棄物の収集運搬を請ける会社市区町村の許可か委託か
探し物と仕分けも任せたい遺品整理を請ける会社誰が運ぶか・買取の有無
空き家の掃除まで頼みたい清掃を自社で行う会社清掃の段階と範囲
売却や管理まで相談したい不動産会社家財を残したまま扱えるか

パターン1|運び出して処分するだけなら、許可のある収集運搬の会社

残す物をすでに自分で持ち出していて、あとは全部出すだけという場合です。家庭から出た物を運ぶには、その市区町村の一般廃棄物処理業の許可か、市区町村からの委託が要ります。

許可番号の照合の手順は、残置物撤去業者は4つの業種に分かれているにまとめてあります。

出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」

パターン2|探し物と仕分けも任せたいなら、遺品整理の会社

遠くから頼む空き家の片付けでは、このパターンが候補の中心になりやすいところです。仕分けを任せる会社は、許可の持ち方で「誰が運ぶか」が変わる点に注意してください。

総務省が調べた69事業者のうち、一般廃棄物収集運搬業の許可を持っていたのは34事業者でした。持っていない事業者の中には、廃棄物の処理を他の許可事業者に頼む形があり、報告書はその場合の料金が割高になりやすいと書いています。調査は実態をつかむために対象を選んだもので、全体を表す数字ではありません。

出典:総務省「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」(令和2年3月)

家財の一部を買い取ってもらうなら、中古品の売買をする許可として、都道府県公安委員会の古物商の許可も関わってくるんです。

出典:e-Gov法令検索「古物営業法」

パターン3|空き家の掃除まで頼みたいなら、清掃を自社で行う会社

片付けのあとに掃除まで済ませたいなら、清掃を自社で行っている会社かどうかを見ます。空き家の掃除業者を別に探すと、鍵の受け渡しと日程の調整が2回に増えるからです。

どこまでの掃除が要るかは、家の次の使い道で決まります。清掃の段階の分け方は、7章で扱いますね。

パターン4|売却や管理まで相談したいなら、不動産会社に先に当たる

片付けたあとに売ると決まっているなら、片付けの業者より先に不動産会社へ相談する道があります。家財を残したままの状態で引き取れる相手が見つかれば、片付けそのものを頼まずに済む場合があるからです。

総務省の報告書にも、不動産業者と提携して遺品整理の後の不動産処分に対応している事業者の例が載っています。どこから当たるかは、出口の決め方しだいです。

売るのか、片付けて管理するのか。まだ決めきれていない段階でも、家の状態をうかがったうえで、無料査定と、片付けの前にできることの整理をしています。お問い合わせからどうぞ。

僕が実務をしていた当時も、家財が残ったままの家を、その状態で引き取れる相手はいました。「全部出してからでないと相談できない」という思い込みは、遠回りになりやすいと考えています。遠くにお住まいなら、片付けの業者を探す前に、その家をどうするかを一度誰かと話しておくと、頼む範囲が小さくなる場合がありますよ。

遠方から空き家の片付け業者に鍵を預ける3つの方法

遠方から空き家の片付け業者に鍵を預ける3つの方法

立ち会えないなら、業者に家を開けてもらうしかありません。鍵をどう渡すかは、見積もりの前に決めておくことです。現地を見ての見積もりにも、作業当日にも、同じ鍵が要るからですね。

方法向いている場面気をつけること
業者に郵送で預ける近くに頼める人がいない預かり証と返却方法を書面にする
近くの親族や知人に開けてもらう近くに頼める人がいる開け閉めの日時を先に伝える
暗証番号式の鍵箱を置く何度も出入りが続く作業が終わったら番号を変える

方法1|業者に郵送で預け、預かり証をもらう

近くに頼める人がいない場合の方法です。鍵を送る前に、預かった鍵の保管の仕方と、返却の方法と時期を書面で出してもらってください。

送るのは合鍵にして、元の鍵は自分の手元に残します。記録の残る方法で送ると、いつ誰が受け取ったかがはっきりしますね。

方法2|近くの親族や知人に開けてもらう

家の近くに親族や知人がいるなら、見積もりの日と作業の日だけ開け閉めを頼む方法があります。開けてもらう人には、作業の中身には口を出さず、鍵の開け閉めと施錠の確認だけを頼むのが無理のない分け方です。

作業の指示まで任せてしまうと、その人に判断の重さがかかってしまいます。指示は自分から業者へ直接出してください。

方法3|暗証番号式の鍵箱を置く

見積もり、作業、清掃と出入りが何度も続くなら、暗証番号で開ける鍵箱を玄関の近くに置いて、中に合鍵を入れる方法もあります。番号を伝えた相手は誰でも入れるので、作業が全部終わったら番号を変えてください。

鍵箱を置く場所は、道路から見えにくい位置を選びます。空き家だと知られる手がかりを増やさないためですね。

作業が終わったあとの話も1つ。業者に鍵を預けた期間があったなら、売るまで持ち続ける家は、鍵そのものを交換しておくと安心です。

空き家の片付け業者に探し物を頼むときは、指示書に3項目を書く

空き家の片付け業者に探し物を頼むときは、指示書に3項目を書く

中に何があるかが分からない家では、業者に探してもらう物が出てきます。口頭で「大事な物は残して」と頼んでも、業者には何が大事なのかが分かりません。書くことは3つです。

項目1|探す物と、置いてありそうな場所

探してほしい物を具体的に書きます。写真、手紙、通帳、証書類、印鑑、貴金属、形見にしたい品。物の名前と一緒に、「仏壇の引き出し」「寝室のたんすの上段」のように置いてありそうな場所を添えると、見つかる確率が上がります。

総務省の報告書に載っている見積書の例でも、作業の基本料金の中に「貴重品捜索」が含まれていました。捜索を頼めるかどうか、料金に含まれるのか別なのかは、見積もりの段階で聞いておいてください。

項目2|見つかったときの扱い

見つかった物を送ってもらうのか、家の一か所にまとめて置いてもらうのか。扱いを決めていないと、見つかった物が他の家財と一緒に運び出されてしまいます。

封のされた遺言書が出てきたら、開けずにそのまま保管してもらってください。民法は、封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人などの立会いがなければ開封できないと定めています。

相続人が複数いるなら、見つかった現金や貴金属も相続人全員の共有です。誰が何を受け取ったかを、他の相続人にも共有しておくと、あとで揉める余地が小さくなります。

出典:e-Gov法令検索「民法」(第898条・第1004条)

項目3|見つからなかったときの報告

探しても見つからなかった物についても、報告を求めてください。「探したが見つからなかった場所」を書いてもらえば、自分で探し直すときの手間が減ります。

総務省の報告書が紹介している契約書の例には、依頼者が所有権を手放した後でも、作業中に現金や貴金属を見つけたら依頼者に渡すと約束する条項がありました。こうした取り決めが契約書に入っているかも、あわせて確かめておくといいですね。

放置されてきた家では、何がどこにしまわれているのかを、持ち主の側がつかめていない場合があるものです。実例を見たわけではありませんが、価値のある物が出てきても、誰も気づかないまま運び出されるおそれは構造上あると考えています。業者を疑う話ではなく、把握していない物は守りようがないという話ですね。探す物のリストを作ることが、そのまま自衛になります。

空き家の片付け業者が来る日までに、家の側で整える3つのこと

空き家の片付け業者が来る日までに、家の側で整える3つのこと

業者を決めたら、作業の日までに家の側でも準備が要ります。住んでいる家なら当たり前にそろっている条件が、空き家では止まっていることがあるためです。

準備1|電気と水道を使える状態にしておく

空き家で電気や水道を止めていると、作業の日に照明がつかず、掃除に水も使えません。電気と水道を、作業の日までに使える状態へ戻しておいてください。

再開の手続きには日数がかかる場合があるので、作業日が決まったらすぐに電力会社と水道の窓口へ連絡しておきます。止めるのは、作業と掃除が全部終わってからで間に合いますね。

準備2|近所へ作業の日を知らせておく

作業の日は、トラックが家の前に停まり、人が出入りします。空き家に知らない人が出入りすると、近所の方は不安に感じるものです。作業の日と時間、業者の名前を、両隣とお向かいくらいには知らせておきましょう。

遠くに住んでいて直接回れないなら、手紙を業者に託して配ってもらう方法もあります。自分の名前と連絡先を書いておけば、何かあったときに近所の方から直接連絡をもらえるようになりますね。

準備3|郵便物と届く物を止める

空き家に届く郵便物がたまると、作業の日に郵便受けから溢れていることがあります。郵便局に相談して、自分の住所へ転送してもらえるかを確かめておいてください。

届いた郵便物は、口座や契約の手がかりになります。作業の日に業者が郵便物を見つけたら、捨てずにまとめてもらうよう指示書に書き足しておくと確実ですね。

実務をしていた当時、空き家の隣にお住まいの方を訪ねて話をうかがう機会がありました。そこで聞いたのは、親の代には付き合いがあったのに、子の代になって管理されなくなったのが悲しいという声です。作業の日の知らせ一枚でも、「持ち主は気にかけている」という伝わり方になります。片付けは、近所との関係をつなぎ直すきっかけにもなりますよ。

立ち会えないときに、空き家の片付け業者の作業を確かめる3つの方法

立ち会えないときに、空き家の片付け業者の作業を確かめる3つの方法

作業が終わったと連絡が来ても、その場にいなければ何がどう終わったのかは分かりません。総務省の報告書では、69事業者のうち14事業者が原則として立会いを不要としていました。

その14事業者の中にも、作業前後の写真を送る、作業完了報告書を作るといった形で、トラブルを防いでいる例がありました。確かめ方は、契約の前に決めておくものです。

確かめる場所見落とされやすい理由
押し入れと天袋扉を閉めると残りが見えない
物置と庭屋外は作業範囲から外れやすい
床下収納と屋根裏入口が小さく、存在に気づかれにくい
郵便受けと玄関まわり作業後にも物が届き続ける

方法1|作業前と作業後の写真を、同じ位置から撮ってもらう

写真を頼むときは、同じ位置から、同じ向きで、作業前と作業後の2枚を撮ってもらってください。別々の角度の写真だと、比べても何が変わったのかが分かりません。

上の表の場所は、扉を開けた状態でも撮ってもらいます。部屋全体の写真だけでは、収納の中が空になったかどうかは写りません。

方法2|作業完了報告書と、家電リサイクル券の控えをもらう

作業の内容を書面で出してもらうと、写真と合わせて記録が残ります。作業した部屋、運び出した物のおおよその量、見つかった物、処分先を書いた報告書を求めてください。

エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機を出したなら、家電リサイクル券の控えも一緒にもらっておきます。立ち会えなかった作業の中で、処分先を後から確かめられる数少ない書類です。

方法3|最後の確認だけは、誰かの目で見てもらう

写真と書面でも、残った物や傷は見落とすことがあります。作業の最後だけは、ビデオ通話で業者に家の中を映してもらうか、近くの親族や知人に見てもらってください。

総務省の報告書には、破損などの請求は作業完了後の確認時に申し出ることとし、その後の請求はできないとする契約書の例も載っています。立ち会えない場合は、確認の日を別に決めてもらえるかを、契約の前に聞いておきましょう。

出典:総務省「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」(令和2年3月)/総務省「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査<結果に基づく通知>」

報告書では、依頼者が遠方で立ち会えない場合に料金の前払を求める事業者もいたとされています。支払いのタイミングも、確かめ方とセットで決めておくと安心です。

空き家の掃除まで片付け業者に頼むかは、次の使い道で決める|清掃の3段階

空き家の掃除まで片付け業者に頼むかは、次の使い道で決める|清掃の3段階

「空き家の掃除業者」と一口にいっても、頼める掃除には段階があるんです。どの段階まで要るかは、その家を次にどう使うかで決まります。

次の使い道要る掃除の段階の目安
解体する段階1で足りる
買取業者に売る段階1で足りることがある
仲介で個人に売る・貸す段階2まで考える
当面は持ち続ける段階1+換気と通水の管理

段階1|運び出したあとの簡易な清掃

家財を運び出したあとに、床を掃き、目立つごみを片付ける程度の掃除です。総務省の報告書には、搬出後の簡易な清掃までは基本サービスに含まれているという事業者の説明が載っています。

どこまでを基本に含めるかは会社によって違うので、見積書の範囲に「清掃」の文字があるかを見ておいてください。

段階2|ハウスクリーニング

水まわりや換気扇、窓まわりなど、素人では手が届きにくい場所まで掃除する段階です。個人の買主に見てもらう家や、人に貸す家では、ここまでやるかどうかで内見の印象が変わります。

ただし、買主がリフォームや建て替えを前提にしている場合は、この段階の費用が生きないこともあります。売り方を決めてから頼むかどうかを決めても遅くありません。

段階3|特殊清掃

誰にも気づかれないまま亡くなった方がいた家などで、消臭や消毒を含めて原状に戻すための清掃です。普通の掃除とは別の技術が要るため、この段階が必要なら、特殊清掃を自社で請けている会社かどうかを最初に確かめます。

この段階が必要な家を売るときの考え方は、片付けとは別の論点になります。まずは清掃の範囲を決めて、売り方は不動産会社と相談してください。

売却や管理と、空き家の片付け業者の段取りを組む3つの順番

売却や管理と、空き家の片付け業者の段取りを組む3つの順番

空き家の片付けは、そのあとに売る、壊す、持ち続けるのどれかにつながります。片付けだけを先に終わらせてしまうと、あとの段取りと食い違うことがあるんです。組む順番を3つに分けておきますね。

順番1|片付けの前に、今の状態で不動産会社に見てもらう

売る可能性が少しでもあるなら、片付けの見積もりより先に、家財が残った状態で不動産会社に見てもらいます。現状のまま引き取れるのか、片付けたほうが高く売れるのかは、家を見た人にしか判断できません。

解体して土地で売る話になれば、片付けと解体を一続きで組むことになります。空き家を手放すときの出口の全体は、田舎の空き家処分はどの順番で動くかで整理しています。

順番2|片付けの範囲を決めてから、業者に見積もりを頼む

出口が決まれば、片付けの範囲も自然と決まってくるものです。範囲を決めてから見積もりを頼めば、何社かの金額を同じ条件で並べられます。

出口ごとの片付けの範囲は、空き家の片付けは出口を決めてから始めるにまとめました。相続人が複数いて片付けの進め方で意見が分かれそうなら、空き家を兄弟で相続したら?も先に読んでおいてください。

順番3|片付けたあと、売れるまでの管理を決めておく

片付けが終わってから売れるまで、あるいは解体するまでの間も、家は傷んでいきます。換気、通水、郵便物の確認、庭の草木の手入れを誰が受け持つのかを、片付けの段階で決めておいてください。

総務省の報告書にも、遺品整理の後に空き家となった家屋と敷地の管理(室内換気、清掃、郵便物の確認、定期的な草刈りなど)に対応している事業者の例がありました。解体を選んだ場合は、壊したあとの登記にも期限があるので注意してください。手続きは滅失登記の必要書類は?にまとめてあります。

片付けから売れるまでの間を、0円空き家管理でつなぐこともできます。売るか持ち続けるかの判断も含めて、お問い合わせからご相談ください。

実務をしていた当時、空き家の持ち主を探すときに頼りになったのは、草取りなどで管理に来ている人の存在でした。誰かが通っている家なら、現地で待てば管理している人に会えましたが、完全に放置された家は、話を届ける相手をたどりようがなかったんです。片付けが終わった家に、定期的に誰かの目が入る体制を作っておく。それが近所の方にとっても、買い手を探すうえでも、安心材料になると考えています。

まとめ

まとめ

空き家の片付け業者の選び方と頼み方を、順番に整理しておきますね。

  1. 空き家は、持ち主がいない・中身が分からない・片付けたあとも家が残る、の3つが住んでいる家との違い
  2. 頼み先は、運び出すだけ・探し物と仕分け・掃除まで・売却や管理まで、の4つから逆算する
  3. 鍵は郵送・近くの人・鍵箱のどれで渡すかを決め、作業後は番号の変更や鍵の交換まで考える
  4. 探し物は、探す物と場所・見つかったときの扱い・見つからなかったときの報告を指示書に書く
  5. 作業日までに、電気と水道・近所への知らせ・郵便物の転送を整える
  6. 立ち会えないなら、同じ位置の写真・報告書と家電リサイクル券の控え・最後の確認の3つで確かめる
  7. 掃除の段階は、解体・買取・仲介・持ち続けるの、次の使い道で決める
  8. 不動産会社に先に見てもらい、範囲を決めて見積もりを取り、片付け後の管理まで決めておく

片付けの順番と範囲の決め方は、空き家の片付けは出口を決めてから始めるを先にお読みいただくと、業者に伝える中身がそろうはずです。

揉めたくて揉める方はいませんし、手元に残るお金は少しでも多いほうがいいに決まっています。遠くにいても、決めることを先に決めておけば、片付けは任せられるものです。

どこから当たるかの整理だけでもかまいません。家の状態をうかがったうえで、無料査定と片付けの前にできることのご案内をしています。お問い合わせからどうぞ。個別の争いに関するご相談は、法律上、弁護士以外がお答えできない決まりがありますので、その場合は弁護士におつなぎしますね。

よくある質問

よくある質問

質問1|空き家の片付け業者に鍵を預けても大丈夫ですか

立ち会えない依頼を前提に、鍵の預かりや写真での報告の仕組みを持つ業者もあります。大事なのは、預かり証と返却の方法を書面でもらい、元の鍵は自分の手元に残しておくことです。作業が終わって鍵が戻ってきたら、売るまで持ち続ける家なら鍵の交換も考えておいてください。

質問2|空き家の掃除業者と片付け業者は、別々に頼んだほうがいいですか

清掃を自社で行っている片付け業者なら、まとめて頼むことができますよ。別々に頼むと、鍵の受け渡しと日程の調整が2回になるので、遠くにお住まいならまとめたほうが手間は減ります。ただし、ハウスクリーニングや特殊清掃が必要な家では、その段階を自社で請けているかを先に確かめてください。

質問3|相続人が複数いるとき、誰が業者と契約すればいいですか

相続人のうち1人が代表して契約する形をとる業者もありますが、家の中の物は相続人全員の共有です。総務省の報告書には、契約した人が他の相続人との問題にすべて対応するという条項を置いた契約書の例もあるので、契約の前に他の相続人の了解を取っておいてください。片付けの進め方で意見が分かれている場合、個別の争いに関するご相談は、法律上、弁護士以外がお答えできない決まりがあります。弁護士にご確認いただくのが確実です。

出典

個別の相続の進め方、税額の計算、相続人どうしの争いに関する判断は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。

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高槻 翔太
元・土地活用コンサルタント。宅地建物取引士(試験合格) ・FP2級保有 。 2016年より、大手不動産・建築会社で、土地有効活用のコンサルティング営業を6年間しており、地主様の資産運用・相続税対策を支援 。 現在は不動産特化の専門家として、SUUMOや朝日新聞社「相続会議」など大手メディアを中心に累計1,500記事以上を執筆・監修 。 現場で見てきた「放置空き家の悲劇」や「兄弟間の相続トラブル」を防ぐため、綺麗事抜きで「1円でも多くお金を残し、ご縁を守る」ための本音のノウハウを発信中。 >> 詳しいプロフィールと当サイトの理念はこちら