解体工事が終わって、更地になった。そこで手続きが終わったと思っている方が本当に多いんです。
僕は2016年から6年間、大手の不動産・建築会社で土地活用のコンサルティング営業をしていました。空き家を見つけると登記簿謄本を取って所有者を追いかける、という仕事をしていた当時、登記簿には残っているのに現地には何もないという物件に何度も出会いましたね。
建物を壊したら、その事実を登記簿に反映させる必要があります。これが滅失登記です。取壊しの日から1か月以内という期限が法律で決まっていて、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。
しかも相続した家の場合、亡くなった親の名義のままで大丈夫なのか、先に相続登記が必要なのか、という疑問が乗ってきます。
この記事では、相続登記を経由せずに滅失登記できる根拠、相続人が用意する必要書類、放置したときに起きること、そして依頼先の選び方までを整理していきますね。
滅失登記は取壊しから1か月以内という義務になっている

まず期限と罰則から押さえておきましょう。ここを知らないまま数年放置している方が少なくありません。
建物が滅失したら1か月以内に申請する
不動産登記法57条は、建物が滅失したときは表題部所有者または所有権の登記名義人が、その滅失の日から1か月以内に建物の滅失の登記を申請しなければならないと定めています。「できる」ではなく「しなければならない」という義務の書き方です。
滅失の日とは、解体工事が完了して建物が物理的になくなった日を指します。工事の契約日でも、代金を払った日でもありません。
怠ると10万円以下の過料になる
期限を過ぎたときの扱いは、不動産登記法164条1項にあります。57条による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処するとされていますよ。
数字を取り違えている解説をよく見かけるので、並べておきますね。
| 手続き | 期限 | 過料 |
|---|---|---|
| 建物の滅失登記(不登法57条) | 滅失の日から1か月以内 | 10万円以下 |
| 相続登記(不登法76条の2) | 取得を知った日から3年以内 | 10万円以下 |
| 住所等の変更登記(不登法76条の5) | 変更の日から2年以内 | 5万円以下 |
期限を延ばす制度は用意されていない
条文には「正当な理由がないのに」という留保があります。ただし、申請の期限そのものを延長する手続きは制度として存在しません。
忙しい、書類が揃わない、といった事情で先に延ばすと、そのまま何年も動かないのが実際のところです。解体業者から書類を受け取ったその足で動くのが、結局いちばん早く終わります。
相続した建物の滅失登記は相続登記を経由せずにできる

ここが、相続した実家を解体した方にとっていちばん費用対効果の高い情報になります。
根拠は不動産登記法30条の一般承継人による申請
亡くなった親の名義のままでは手続きできない、と思い込んでいる方が多い部分です。実際には別の規定があります。
不動産登記法30条には、表題部所有者または所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合で、その人について相続があったときは、相続人その他の一般承継人が当該表示に関する登記を申請することができると書かれていますね。
滅失登記は建物の物理的な状況を反映させる「表示に関する登記」です。だから相続登記で名義を移さなくても、相続人が直接申請できます。
相続人のうち1人からでも申請できる
表示に関する登記は、権利の帰属を決める手続きではありません。そのため相続人全員の同意を取りつけなくても、相続人のうち1人が申請できます。
疎遠な兄弟がいる、連絡のつかない親族がいる。そうした事情があっても、この手続きだけは前に進められるわけです。
これから壊す場合は話が別になる
注意が必要なのは、まだ建物が建っている段階に入ります。取壊しそのものは財産の処分にあたるため、共同相続人の全員で決める必要があります。
すでに壊れているものを登記簿に反映させる話と、これから壊す話は分けて考えてください。順番を間違えると、あとから親族間の問題になります。
| 状況 | 相続登記 | 誰が動けるか |
|---|---|---|
| すでに解体が済んでいる | 不要(不登法30条) | 相続人のうち1人でも申請できる |
| これから解体する | 不要(滅失登記に限る) | 取壊しの判断は相続人全員 |
| 土地を売る・担保に入れる | 必要 | 権利者全員 |

この点を知らずに、先に相続登記をしてしまった方に何度か会いました。
建物の相続登記には登録免許税がかかりますし、戸籍も生まれてから亡くなるまでの分を集めることになります。壊す予定の建物のために、その手間と費用をかける必要はありません。
もちろん土地のほうは話が違います。土地を売るなら相続登記が必要ですし、2024年4月からは相続登記そのものが義務になりました。
分けて考えてください。建物は壊した事実を届け出るだけ、土地は権利を整える。この2つを混ぜると、余計な費用が出ます。
相続人が滅失登記をするときの必要書類

書類の話に入りますね。誰が申請しても要るものと、相続だから要るものに分かれます。
誰が申請しても要る基本の書類
法務局の申請書様式に沿って、次の書類を揃えますね。この中でいちばん重要なのが建物滅失証明書、いわゆる取壊し証明書で、解体を請け負った業者が発行します。
| 書類 | どこで手に入るか |
|---|---|
| 登記申請書 | 法務局のサイトから様式をダウンロード |
| 建物滅失証明書(取壊し証明書) | 解体を請け負った業者 |
| 解体業者の印鑑証明書・登記事項証明書 | 解体業者 |
| 位置図(住宅地図の写しなど) | 市販の住宅地図やインターネット地図 |
相続人が申請するときに追加する書類
ここに、申請する人が相続人であることを示す書類が加わりますね。
- 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本または除籍謄本
- 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
- 申請する相続人の戸籍謄本
登記簿に記載された住所と、亡くなる直前の住所が違うケースがあります。施設に入居していた場合などですね。このときは住民票の除票や戸籍の附票で住所のつながりを示します。
相続登記ほど戸籍を集めなくてよい
相続登記では、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍と、相続人全員の戸籍が必要になります。滅失登記はそこまで求められません。
被相続人と、申請する相続人とのつながりが分かる範囲の戸籍で足ります。集める量が減るぶん、時間も実費も軽くなります。
なお、必要書類の細かい範囲は管轄の法務局によって案内が異なることがあります。書類を集める前に、管轄の法務局へ一度確認しておくと二度手間になりません。
火災や自然災害で失われた場合の書類
建物がなくなる理由は解体だけではありません。火災、台風、地震で失われた場合も滅失登記の対象になります。
このときは解体業者がいないため、取壊し証明書を用意できません。消防署が発行するり災証明書など、建物が失われた事実を示す書類を添える扱いになります。求められる書類は事情によって変わるため、管轄の法務局に先に相談してください。
登記されていない建物は法務局ではなく市区町村へ
古い物置や増築部分など、そもそも登記がされていない建物があります。この場合、登記簿に記録がないので滅失登記そのものが要りません。
ただし家屋課税台帳には載っていることがあります。放っておくと固定資産税が課され続けるため、市区町村の資産税を扱う窓口へ「家屋滅失届」などの名称で届け出てください。名称と様式は自治体ごとに違います。

いちばん抜けやすいのが、解体業者から受け取る書類です。
工事が終わった時点で取壊し証明書と業者の印鑑証明書をもらう。ここを後回しにすると、数年後に業者が廃業していて連絡がつかないという事態になります。
僕が見てきた放置物件のなかには、誰がいつ壊したのか誰も分からないものがありました。証明書がない場合は上申書という書面で代えることになりますが、手間はまるで違います。
工事代金を払うときに、証明書を一緒に受け取ってください。その場でもらえば無料の書類が、あとからでは取り戻せない書類に変わります。
滅失登記を放置すると起きる3つのこと

過料だけの話ではありません。放っておくと生活のほうに返ってきます。
問題1|存在しない建物に固定資産税がかかり続ける
固定資産税は、毎年1月1日時点の状況をもとに課されますね。滅失登記をしないと家屋課税台帳に建物が残ったままになり、すでにない建物の分の税金が請求され続けることがあります。
自治体が現地調査で把握して課税を止める場合もありますが、こちらから届け出ていないぶん、気づかれるまでの年数は読めません。しかも払い過ぎた分をさかのぼって取り戻すには期限があります。地方税法18条の3により、過誤納による還付を求める権利は、請求できる日から5年で時効により消滅します。
10年放置していたとしても、戻ってくるのは直近5年分までという計算になりますね。
問題2|土地を売れない
登記簿の上に建物が残っている土地は、買い手から見ると「何かある土地」に映ります。実際、決済のときに建物の登記が残っていると手続きが止まりますね。
売却の話が進んでから慌てて滅失登記をすると、書類を集める時間のぶん決済が後ろにずれます。買い手が離れる原因にもなります。
問題3|世代をまたぐと手がつけられなくなる
いちばん重いのがこれです。名義人が亡くなり、その相続人も亡くなると、申請できる立場の人がねずみ算式に増えます。
登記簿に残った建物ひとつのために、顔も知らない親族に連絡を取ることになります。土地のほうも同時に権利者が増えているため、売ることも貸すこともできなくなります。
先代の名義が残ったままの不動産をどう扱うかは先代名義の不動産と相続税申告|祖父名義でも申告は必要?にまとめました。

登記関係を「よく分からないから」と置いておくのは、いちばん高くつく選択でした。
営業で登記簿謄本を追いかけていた当時、三代前の名義が残ったままの土地に実際に出会っています。そこまで来ると、現在の相続人が何人いるのかを数えるところから始まります。
全員の所在を突き止めて署名をもらう。現実的に不可能な水準です。
こうなった土地は、誰からも提案が届きません。苦情すら届かない。放置されているのではなく、届く相手がいなくなっている状態なんです。1か月の手続きを飛ばした結果が、ここまで伸びます。
滅失登記の前後で確認しておきたい4つのこと

滅失登記だけを見ていると足をすくわれますね。解体まわりで実際に問題になる点を並べます。
確認1|抵当権が残っていないか
建物の登記簿に金融機関の抵当権が付いたままのことがありますね。住宅ローンを完済したのに抹消手続きをしていない場合ですね。
抵当権が残っている建物を無断で壊すと、金融機関との契約に反する扱いになります。ローンが残っているならなおさらです。解体を決める前に登記簿を確認して、抵当権があれば金融機関に相談してください。
確認2|解体する時期と固定資産税の関係
固定資産税は1月1日時点の状況で決まります。住宅が建っている土地には住宅用地の特例が適用されていますが、更地になると翌年度からこの特例が外れます。
年末に解体して年を越すと、翌年度の土地の固定資産税が上がる形になります。解体の時期は、この点を踏まえて決めてください。土地の固定資産税の仕組みは【2026年最新】土地の固定資産税の計算方法とは?放置で税金6倍の罠と抜け出すための解決策で確認できます。
確認3|境界と近隣への説明
解体でいちばん揉めるのは、実は工事そのものではありません。隣地との境界です。ブロック塀がどちらのものか、境界杭が埋まっていないか。この確認を飛ばすと工事中に止まります。
騒音や粉じんの苦情も、矛先は業者ではなく所有者に向かいますね。ここは経験からはっきり言えます。
確認4|登録免許税はかからない
費用の話も整理しておきましょう。登録免許税は、登録免許税法2条により別表第一に掲げられた登記等について課される税金です。建物の滅失の登記はそこに掲げられていないため、登録免許税はかかりません。
かかるのは戸籍や登記事項証明書などの実費と、専門家に頼む場合の報酬です。

境界と近隣挨拶については、当時の現場でいちばん体に染みたところでした。
境界杭が見つからず、掘って探したことがあります。測量に立ち会って、隣の方と一緒に位置を確認したこともありました。解体業者が電柱を倒して隣家に傷をつけた現場にも立ち会っています。責任が100%業者側にあっても、謝りに行くのは営業と所有者でした。
だからお伝えしたいのは、解体前に所有者本人が業者と一緒に近隣へ挨拶に行ってほしいということです。顔の見える相手からの説明があると、その後の受け止め方がまるで変わります。
業者任せにしないでください。ここは費用のかからない、いちばん効く準備です。
滅失登記の進め方と依頼先の選び方

最後に、実際に動くときの順番と相談先を整理します。
申請先は不動産の所在地を管轄する法務局
いちばん間違えやすいのがここです。自宅の近くの法務局ではありません。建物があった土地を管轄する法務局に申請します。
窓口のほか郵送でも受け付けていますね。郵送する場合は、書留郵便で送り、返送用の封筒を同封してください。マイナンバーカードがあればオンライン申請も可能です。
出典:法務局「建物を取り壊した(建物滅失の登記をオンライン申請したい方)」
依頼するなら土地家屋調査士になる
専門家に頼む場合、依頼先を間違えると二度手間になります。滅失登記のような表示に関する登記を扱うのは土地家屋調査士です。
司法書士が扱うのは、所有権の移転や抵当権の抹消といった権利に関する登記になります。相続登記は司法書士、滅失登記は土地家屋調査士、という分かれ方です。
| 専門家 | 担当する登記 | 滅失登記 |
|---|---|---|
| 土地家屋調査士 | 表示に関する登記(滅失・表題・地目変更) | 担当する |
| 司法書士 | 権利に関する登記(相続・売買・抵当権) | 担当しない |
親の不動産を洗い出すなら所有不動産記録証明制度
どこにどんな建物があるのか把握できていない、という場合に使える制度が2026年2月2日から始まっています。所有不動産記録証明制度です。
登記官が、特定の人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を一覧にした証明書を交付する仕組みになります。請求できるのは登記名義人本人と、その相続人その他の一般承継人です。全国どの法務局でも、書面またはオンラインで請求できます。
手数料は検索条件1件につき1通あたり、書面請求で1,600円、オンライン請求は郵送交付1,500円・窓口交付1,470円です。忘れられていた物置や遠方の建物の登記漏れを防ぐのに役立ちます。
取壊し証明書が見つからないときは上申書で代える
長く放置された空き家では、誰がいつ壊したのか分からないことがありますね。証明書を紛失した場合も同じです。
このときは上申書を作成し、実印を押して印鑑証明書を添える方法で申請が認められる扱いがあります。建物を特定できる情報と、現地に建物が存在しない事実を記載しますね。
事実関係の裏づけに手間がかかるため、この段階まで来たら土地家屋調査士に相談したほうが早く終わります。
登記完了証を受け取ったら土地の相続登記へ進む
申請が通ると登記完了証が交付されますね。ここで建物の手続きは終わりです。登記事項証明書を取って、建物の記録が閉鎖されているかを必ず確認してください。
そのうえで残るのが土地です。相続登記は2024年4月1日から義務になっていて、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。制度が始まる前に相続した不動産も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。
期限内に遺産分割がまとまらない場合は、相続人申告登記という手続きがあります。単独で申し出ることができ、これをしておけば申請義務を果たしたものとして扱われますよ。

ここまで読んで、手続きの量に気持ちが折れた方もいると思いますね。
正直に言うと、解体費用を自分で出して、書類を集めて、法務局へ行く。この一連をやり切れる方は多くありません。売買の部門と一緒に仕事をしていた当時、金額の小さい物件や権利に問題のある物件は、担当者から見ると手間の割に実入りの薄い案件になると感じていました。だから相談しても軽く扱われることがあります。
そこで選択肢に入れてほしいのが、建物が建ったままの状態で買い取ってもらう道です。解体も滅失登記も買主側で進めてもらえるなら、自腹で数百万円を出す必要がなくなります。
まず現状のまま査定を取って、その数字と、解体して更地にしてから売る場合の手取りを並べてみてください。判断はそのあとで構いません。
滅失登記に関して、よくある質問

亡くなった親名義の建物を壊しました。相続登記は必要ですか?
必要ありませんね。不動産登記法30条により、相続人その他の一般承継人が表示に関する登記を申請できます。
相続人のうち1人からでも申請できるため、ほかの相続人の同意を取る必要もありません。ただし土地を売る場合は、土地の相続登記が別途必要になります。
滅失登記に費用はどのくらいかかりますか?
登録免許税はかかりません。自分で申請する場合は、戸籍謄本や登記事項証明書などの実費で数千円程度に収まります。
土地家屋調査士に依頼する場合は、これに報酬が加わりますね。報酬額は事務所ごとに違うため、見積もりを取って確認してください。
期限の1か月を過ぎてしまいました。どうなりますか?
過ぎたことに気づいた時点で申請してくださいね。不動産登記法164条1項の過料は、正当な理由がないのに申請を怠ったときの規定です。
放置している期間が長いほど、固定資産税や売却の面での不利益が積み上がります。手続き自体は期限を過ぎても受け付けてもらえますね。
自分の土地に他人名義の建物が登記上残っています。消せますか?
自分で滅失登記を申請することはできません。所有者ではないからです。
ただし法務局へ申し出ることで、登記官の職権による滅失登記を促す方法があります。現地調査で建物が存在しないことが確認されれば、登記が抹消されますね。管轄の法務局へ相談してください。
未登記の建物を壊した場合も滅失登記は要りますか?
そもそも登記がされていない建物であれば、登記簿に反映させる手続きは要りません。
一方で家屋課税台帳には載っていることがあります。この場合は市区町村の資産税担当部署へ、建物を取り壊した旨を届け出てください。届け出ないと固定資産税が続きます。
解体前でも滅失登記の準備はできますか?
書類の段取りは先に進められますね。管轄の法務局を調べる、申請書の様式を用意する、戸籍を集める。ここまでは解体前でも動けます。
一方で申請そのものは、建物が実際になくなってからでないとできません。取壊し証明書も工事の完了後に発行されるためです。
相続人が全員で申請しなければいけませんか?
いいえ。相続人のうち1人が単独で申請できます。表示に関する登記は権利の帰属を決める手続きではないからです。
ただし、これから解体する場合の取壊しの判断は別に扱われますよ。共同で相続した建物を壊すには、相続人全員で決める必要があります。
滅失登記は土地家屋調査士と司法書士のどちらに頼みますか?
土地家屋調査士です。滅失登記は建物の物理的な状況を示す表示に関する登記にあたります。
司法書士が扱うのは相続や売買といった権利に関する登記です。相続登記と滅失登記の両方を進めるなら、両方の資格者が在籍する事務所を探すと窓口がひとつで済みます。

質問を並べて見えてくるのは、滅失登記でつまずくのは難しさではなく順番だということです。
証明書を先にもらう。管轄の法務局を先に調べる。依頼先を先に確かめる。どれも工事の前後に確認しておけば済む話ばかりです。
逆に、後回しにすると解けなくなる要素だけが積み上がっていきます。業者が廃業する、相続人が増える、課税が続く。時間は味方をしてくれません。
解体の日程が決まったら、その週のうちに手続きの段取りまで決めてしまいましょう。
まとめ

滅失登記は、建物がなくなった事実を登記簿に反映させる手続きでした。相続した実家を解体したなら、必ず通る道になります。
要点を整理します。
- 期限は滅失の日から1か月以内。怠ると10万円以下の過料(不登法57条・164条)
- 相続した建物なら相続登記を経由せず、相続人のうち1人から申請できる(不登法30条)
- 必要書類の中心は解体業者が発行する取壊し証明書。工事代金の支払い時に受け取る
- 戸籍は被相続人と申請する相続人のつながりが分かる範囲で足りる
- 放置すると、ない建物への課税・売却の停滞・世代をまたいだ権利の複雑化が起きる
- 登録免許税はかからない。依頼先は司法書士ではなく土地家屋調査士
これから解体するなら、業者との打ち合わせの段階で取壊し証明書の発行を約束に入れておきましょう。手続きの半分はそこで終わります。
あわせて読みたい








僕が現場にいた当時、登記簿と現地が食い違う物件は珍しくありませんでした。
空き家を探して登記簿謄本を取ると、建物の登記が残っている。ところが現地は更地でした。所有者に連絡がつけばまだいいほうで、名義人がすでに亡くなっている物件もありました。
そうなると、次に動かすのは相続人です。壊した本人はもう説明できません。手続きの重さが、次の世代に丸ごと引き継がれる形になります。
1か月という期限は短く感じます。ただ、この手続きは先延ばしにするほど関係者が増えて重くなる性質のものなんです。