相続税の土地評価を調べはじめて、路線価図を開いた。ところが実家の場所に価格の数字が入っていない。ここでつまずく方がとても多いんです。
僕は2016年から6年間、大手の不動産・建築会社で土地活用のコンサルティング営業をしていました。地主さんの相続対策を担当していた当時も、郊外の土地は路線価が付いていないほうが普通でした。
路線価が定められていない地域を倍率地域といいます。ここでは道路につけられた価格ではなく、手元の固定資産税評価額に倍率を掛けて評価額を出します。
計算そのものは掛け算ひとつです。ただし、路線価地域の記事を読んで補正率を掛けようとしたり、倍率地域でも使える減額の仕組みを見落としたりと、間違え方には型があります。
この記事では、倍率地域の判定から計算の手順、評価倍率表の読み方、そして間違えやすい点までを順番に整理していきますね。
倍率地域は路線価が定められていない地域のこと

まず言葉の位置づけから確認しましょう。ここがずれていると、あとの手順がすべて空回りします。
土地の評価方法は路線価方式と倍率方式に分かれる
相続税や贈与税で宅地を評価する方法は2つありますね。路線価方式と倍率方式です。
路線価方式は、道路ごとに定められた1平方メートルあたりの価格をもとに計算します。市街地で使われる方法ですね。一方の倍率方式は、路線価が定められていない地域で使います。
国税庁は倍率方式について、路線価が定められていない地域の土地の評価方法であり、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算した金額で評価すると説明していますね。
2つの方法の違いを並べておきます。
| 路線価方式 | 倍率方式 | |
|---|---|---|
| 使う地域 | 路線価が定められた地域 | 路線価が定められていない地域 |
| 出発点になる数字 | 道路ごとの路線価 | その土地の固定資産税評価額 |
| 画地補正(奥行・間口・不整形) | 使う | 使わない |
| 調べる場所 | 路線価図 | 評価倍率表 |
判定は財産評価基準書の評価倍率表で行う
自分の土地がどちらの地域にあるかは、国税庁の財産評価基準書で確かめてください。路線価図と評価倍率表が公開されているサイトです。
評価倍率表の「宅地」欄に「路線」と表示されていれば、その地域は路線価地域です。数字が入っていれば倍率地域で、その数字が掛ける倍率になります。
同じ町名でも一部だけ倍率地域ということがある
ここは見落としが起きやすい部分になります。評価倍率表の「適用地域名」欄を見てください。
「全域」とあれば、その町や大字の全体が路線価地域か倍率地域のどちらかです。ところが「一部」または「路線価地域」と書かれている場合、その地域には路線価地域と倍率地域が混在しています。
この場合は路線価図を開いて、評価しようとしている土地がどちらに入るのかを確かめる必要があります。町名だけで判断すると取り違えますね。
倍率地域の評価額は固定資産税評価額に倍率を掛けて出す

判定が済んだら計算に入りますね。式そのものは驚くほど単純です。
計算式はひとつしかない
財産評価基本通達21は倍率方式について、固定資産税評価額に、国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式と定めています。
式にすると次のとおりです。
評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率
国税庁が示している計算例では、宅地の固定資産税評価額が1,000万円で倍率が1.1の場合、評価額は1,100万円になります。田の例では、固定資産税評価額5万円に倍率48を掛けて240万円としています。
倍率は地目ごとに違う数字が定められている
評価倍率表を開くと、宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼といった欄が横に並んでいますね。同じ地域でも地目によって倍率が違います。
宅地の倍率は1.0から1.2程度の小さな数字が並ぶ一方、田や畑では数十倍という数字が入ることがあります。これは農地の固定資産税評価額が、宅地に比べてきわめて低く抑えられているためです。
なお倍率を掛けるときの地目は、登記簿の地目ではなく課税時期の現況で判断します。登記は畑のままでも、実際に駐車場として使っていれば雑種地として評価する形になります。
建物は固定資産税評価額がそのまま評価額になる
土地を評価したら、同じ敷地に建つ家屋も評価します。こちらはもっと単純です。
財産評価基本通達89は、家屋の価額はその家屋の固定資産税評価額に別表1に定める倍率を乗じて計算した金額によって評価すると定めています。この倍率は1.0なので、実務上は固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。
出典:国税庁「財産評価基本通達 第3章 家屋及び家屋の上に存する権利」
建物の固定資産税評価額がどの程度の水準になるのかは建物の固定資産税評価額の目安は?戸建て・マンションの違いや放置リスクまで徹底解説!で確認できます。

計算が単純なぶん、倍率地域の評価は「調べる作業」がほとんどを占めますね。
固定資産税評価額を取ってくる。評価倍率表で年分と地域と地目を合わせる。掛ける。判断の余地が少ないので、路線価地域より作業としては軽いんです。
ただし軽いことと、正しいことは別に考えてください。そもそも自分の土地が何筆あるのか把握できていない方を、当時たくさん見てきました。課税明細書に載っている筆と、登記簿に載っている筆がずれていることもあります。
掛け算を急ぐ前に、対象の土地を数え上げるところから始めてください。ここを飛ばした計算は、金額が合っていても意味を持ちません。
倍率地域の評価に使う固定資産税評価額を調べる3つの方法

倍率方式の材料は固定資産税評価額です。手元にない場合の取り方を並べます。
| 方法 | 手に入るもの | 費用 |
|---|---|---|
| 納税通知書の課税明細書 | その年度の価格・地番・地目・地積 | 無料(毎年届く) |
| 固定資産評価証明書 | 1筆ごとの評価額の証明 | 市区町村ごとの手数料 |
| 名寄帳 | その市区町村内の所有不動産の一覧 | 市区町村ごとの手数料 |
方法1|毎年届く課税明細書を見る
いちばん手軽なのがこれです。固定資産税の納税通知書には課税明細書が同封されています。
地方税法364条3項は、市町村は土地または家屋に対して課する固定資産税を徴収しようとする場合には、土地課税台帳等に登録された所在、地番、地目、地積および当該年度の固定資産税に係る価格を記載した課税明細書を納税者に交付しなければならないと定めていますね。この「価格」が固定資産税評価額です。
課税標準額と価格が別に書かれている点に注意してください。倍率を掛ける相手は課税標準額ではなく価格のほうになります。
方法2|市区町村で評価証明書や名寄帳を取る
課税明細書が見当たらない場合や、相続で被相続人名義の土地をすべて洗い出したい場合は、市区町村の窓口で取得します。
固定資産評価証明書は1筆ごとの評価額を証明する書類です。名寄帳はその市区町村内でその人が所有する不動産を一覧にしたもので、把握していなかった土地を見つけるのに役立ちます。
相続人が請求する場合は、戸籍謄本など相続人であることを示す書類が必要になります。請求できる範囲や手数料は自治体ごとに違うため、事前に確認してください。
方法3|評価額に納得がいかないときは審査の申出を使う
固定資産税評価額そのものが高すぎると感じる場合の手続きもあります。地方税法432条1項により、価格に不服がある納税者は、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までに、文書で固定資産評価審査委員会へ審査の申出ができますね。
ただし据置年度については、地目の変換などの事情がある場合を除いて申出ができません。本命は3年に一度の基準年度になります。窓口へ電話で伝えるのは手続きではないため、期限のある正式な申出として行ってください。

当時いちばんもったいないと感じたのが、名寄帳を取らずに進めてしまうケースでした。
相続で不動産を引き継ぐとき、課税明細書に載っていない土地が出てくることがあります。免税点に届かない小さな土地や、私道の持分などです。課税されていないから通知も来ない。だから存在に行き当たりません。
登記簿謄本を取って所有者を追いかけていた当時の経験で言うと、こういう小さな筆こそ、後で売却の障害になります。
相続が起きたら、まず市区町村で名寄帳を取ってください。制度を知らないまま進めた分は、そのまま後の手戻りとして返ってきます。
評価倍率表の読み方|倍率地域かどうかもここで判定する

材料が揃ったら、倍率を読み取ります。表の構造を先に押さえておくと迷いません。
年分を先に合わせる
財産評価基準書は年分ごとに公開されています。使うのは、相続や贈与があった日が属する年分です。
去年の表を開いて計算してしまうと、倍率が改定されていた場合に金額がずれます。サイトを開いたら、まず年分を選ぶところから始めてください。
宅地欄と借地権割合を確認する
「宅地」欄には、その地域の宅地に掛ける倍率が記載されています。ここに「路線」と表示されていれば路線価地域です。
借地権割合の欄もあわせて見てください。借地権や貸宅地を評価するときは、この割合を使います。倍率地域が路線価地域と接続している場合の借地権割合には別の扱いがあるため、該当しそうなら税理士に確認してください。
田・畑・山林・原野は略称で分類が示される
農地や山林の欄には、数字だけではなく「純」「中」「比準」といった略称が入っています。それぞれ分類を表していますね。
| 略称 | 意味(田・畑の場合) |
|---|---|
| 純 | 純農地 |
| 中 | 中間農地 |
| 周比準 | 市街地周辺農地 |
| 比準・市比準 | 市街地農地 |
「比準」「市比準」「周比準」と表示されている地域は、倍率を掛けるのではなく、付近の宅地の価額に比準して評価します。宅地比準方式と呼ばれる方法です。山林と原野も同じ読み方になります。
つまり同じ倍率表でも、倍率を掛ける地目と、掛けない地目が混ざっているわけです。数字が入っていない欄を見て慌てないでください。

農地や山林が混じった実家の土地は、ここで一気に難しくなります。
宅地の欄は倍率を掛けるだけなのに、隣の畑の欄には「比準」と書いてある。同じ敷地の中で計算方法が変わるわけです。当時、地主さんの資産を一覧にする作業で何度もここに突き当たりました。
自分で全部やり切ろうとしなくて構いません。宅地だけなら手元で概算できますが、市街地農地や市街地山林が混ざったら、そこから先は税理士の領域です。
概算を自分で出しておくことには意味があります。相談に行くときの材料になりますし、話が早く進みますよ。
倍率地域で間違えやすい7つのこと

ここからが本題です。倍率地域の評価でつまずく箇所は、だいたい決まっています。
間違い1|間口狭小や不整形の補正率は使わない
路線価地域の記事を読んで、奥行価格補正率や間口狭小補正率、不整形地補正率を掛けようとする方がいますね。倍率地域では、これらの画地補正は行いません。
理由は、材料になる固定資産税評価額のほうに、すでに土地ごとの形状や間口の事情が反映されているからです。ここでもう一度補正を掛けると二重に減額することになります。
補正率の考え方そのものは路線価地域の話です。混ぜないでください。
間違い2|地積規模の大きな宅地の評価は倍率地域でも使える
補正は使わないと書きましたが、ひとつだけ例外があります。地積規模の大きな宅地の評価です。ここを知らずに申告している例が実際にあります。
対象は、三大都市圏では500平方メートル以上、それ以外の地域では1,000平方メートル以上の宅地です。市街化調整区域や工業専用地域などは除かれます。
財産評価基本通達21-2のただし書きは、倍率地域に所在する地積規模の大きな宅地について、通常どおり倍率を掛けた価額が、規模格差補正率などを使って計算した価額を上回る場合には、低いほうの価額で評価すると定めていますね。
国税庁の解説も、次の2つのうちいずれか低い価額で評価すると整理しています。
- その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した価額
- その宅地が標準的な間口距離および奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートルあたりの価額に、普通住宅地区の各種画地補正率と規模格差補正率を乗じ、地積を乗じて計算した価額
広い土地を相続したなら、必ずこの比較を通してください。田舎の実家は敷地が広いことが多く、対象になる可能性は決して低くありません。
間違い3|実際の面積が台帳の地積と違うとき
固定資産課税台帳に登録されている地積は、原則として登記簿の地積です。測量した結果、実際の面積と食い違うことがあります。
国税庁の質疑応答事例は、土地の価額は課税時期における実際の面積に基づいて評価すると回答していますね。そのうえで、倍率方式の場合は実際の面積に対応する固定資産税評価額を仮に求め、その金額に倍率を乗じて計算するとしています。
台帳の数字をそのまま使えばよい、という話ではないわけです。
出典:国税庁「倍率方式によって評価する土地の実際の面積が台帳地積と異なる場合の取扱い」
間違い4|固定資産税評価額が付いていない土地がある
払下げを受けた直後の土地や、地目の変更があって現況に応じた評価額がまだ付いていない土地もあります。この場合、掛ける相手そのものがありません。
質疑応答事例は、状況が類似する付近の土地の固定資産税評価額を基とし、位置や形状の条件差を考慮してその土地の固定資産税評価額に相当する額を算出し、その額に評価倍率を乗じて評価すると回答しています。
ただし申告期限までに新しく評価額が付いた場合は、その価額を基に評価しますね。
間違い5|貸している土地や貸家の敷地の減額を忘れる
倍率を掛けて出るのは、自分で使っている土地としての価額です。人に貸している場合は、そこからさらに減額できます。
アパートなど貸家の敷地は貸家建付地として、次の式で評価しますね。
貸家建付地の価額 = 自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合
他人が建物を建てている土地は貸宅地になり、借地権の目的となっている宅地なら自用地としての価額から借地権部分を差し引きます。倍率地域でも同じ考え方になります。
借地権割合は評価倍率表に記載されていますね。アパートや貸家が建っているのに自用地のまま申告してしまうと、その分だけ高く評価することになります。
間違い6|市街化調整区域の雑種地は別の手順になる
駐車場や資材置場として使っている土地は雑種地です。市街化調整区域にある雑種地は、倍率表の数字を掛けて終わりにはなりません。
国税庁は、雑種地の価額は原則としてその雑種地と状況が類似する付近の土地について評価した1平方メートルあたりの価額を基とし、位置や形状などの条件の差を考慮して評定した価額に地積を乗じて計算すると説明しています。
さらに市街化調整区域では、周囲の状況に応じて比準する地目を判定し、宅地に比準する場合は建築制限などによるしんしゃく割合を考慮する扱いです。ここは自力で完結させず、税理士に確認したほうが確実になります。
出典:国税庁「No.4628 市街化調整区域内の雑種地の評価」
間違い7|使う数字の年度を取り違える
最後は基本的な点ですが、実際によく起きます。倍率は相続や贈与があった年分の表を使い、固定資産税評価額はその年度の価格を使いますね。
固定資産税評価額は3年に一度の基準年度に見直されます。相続が基準年度をまたいだ年に起きた場合、手元の古い課税明細書を使うとずれますね。
年分と年度、この2つを最初に合わせてから計算に入ってください。

この7つの中で、金額に直結するのは2つ目です。
地積規模の大きな宅地の評価は、倍率地域でも使えるという点があまり知られていません。郊外の実家は敷地が200坪、300坪ということが珍しくなく、対象になる土地は現実に存在します。
土地活用の提案をしていた当時、広い土地は分割して使うか、まとめて手放すかの判断がいつも論点でした。広いことは、使い道がなければそのまま維持費になります。評価の場面では減額の材料になり得るのに、そこを見ずに申告してしまうのはもったいない話です。
自分で概算を出したら、その数字を持って税理士に相談してください。「この土地は地積規模の大きな宅地に当たりませんか」と聞けるかどうかで、結果が変わることがあります。
倍率地域の評価に関して、よくある質問

自分の土地が倍率地域かどうかはどこで分かりますか?
国税庁の財産評価基準書で確認しますね。評価倍率表の「宅地」欄に倍率の数字が入っていれば倍率地域、「路線」と表示されていれば路線価地域です。
「適用地域名」欄に「一部」とある場合は、同じ町名の中に両方が混在しています。路線価図とあわせて確認してください。
倍率地域の土地は路線価地域より評価が低くなりますか?
一概には言えません。倍率方式は固定資産税評価額を材料にしているだけで、評価を軽くするための方法ではないからです。
結果として金額に差が出ることはありますが、それは地域の地価水準の違いによるものです。方式の選択で有利不利が決まるわけではありません。
倍率地域で不整形地の減額は受けられますか?
不整形地補正率などの画地補正は使いませんね。土地の形状や間口の事情は、材料である固定資産税評価額のほうにすでに反映されているという考え方だからです。
ただし地積規模の大きな宅地に該当する場合は、規模格差補正率を使った計算と比べて低いほうを採用できます。
固定資産税の課税明細書のどの数字を使いますか?
「価格」または「評価額」と書かれた欄の数字を使います。課税標準額ではありません。
住宅用地の特例が適用されている土地では、価格と課税標準額が大きく違いますね。ここを取り違えると評価額が大幅にずれます。
借地権や貸宅地はどう評価しますか?
評価倍率表に記載されている借地権割合を使いますね。借地権は自用地としての価額に借地権割合を掛け、貸宅地は自用地としての価額から借地権部分を差し引くという考え方です。
倍率地域が路線価地域と接続している場合など、割合の取り方に例外があります。該当しそうなら税理士に確認してください。
アパートを建てている土地も同じ計算でいいですか?
倍率を掛けて自用地としての価額を出すところまでは同じです。そこから貸家建付地としての減額を行います。
自用地としての価額から、借地権割合と借家権割合、賃貸割合を掛けた金額を差し引く形になりますね。空室がある場合の賃貸割合の取り方には注意が必要です。
駐車場として貸している土地はどう評価しますか?
現況が雑種地であれば、雑種地として評価します。市街化調整区域にあるかどうかで手順が変わるため、まず区域区分を確認してください。
自分で使っている土地としての評価が基本になりますが、貸し方によっては減額の対象になる場合もあります。判断は税理士に確認してください。
相続税がかかるかどうかは、この評価額で判断できますか?
土地の評価額は判断材料のひとつです。相続税の要否は、すべての財産の合計額が基礎控除額を超えるかどうかで決まります。
土地の評価額から相続税の目安を見る手順は固定資産税評価額から相続税の目安がわかる?プロが教える不動産評価のカラクリと『負動産』を手放すベストな選択肢にまとめました。

質問を並べて見えてくるのは、倍率地域の評価でつまずくのは計算ではなく前提の確認だという点です。
どの年分の表か。価格か課税標準額か。土地は何筆あるか。地目は現況で何か。どれも掛け算の前の話です。
そして、評価額を出したあとに残る問いがあります。その土地を持ち続けるのか、手放すのか。評価額が低く出たということは、売っても値がつきにくい土地だという意味でもあります。
固定資産税と管理の手間は毎年かかりますね。評価の数字が出たら、そのまま持ち続けた場合の年間コストも一度並べてみてください。判断の材料が揃います。
まとめ

倍率地域は、路線価が定められていない地域のことでした。評価は固定資産税評価額に倍率を掛けるだけです。
要点を整理します。
- 判定は財産評価基準書の評価倍率表で行う。「路線」と表示されていれば路線価地域
- 同じ町名でも「一部」とあれば両方が混在している
- 計算式は評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率(財産評価基本通達21)
- 建物は倍率1.0なので、固定資産税評価額がそのまま評価額になる
- 材料に使うのは課税明細書の「価格」であって課税標準額ではない
- 倍率地域では画地補正を使わない。ただし地積規模の大きな宅地の評価は倍率地域でも使える
- 実際の面積が台帳地積と違うときは、実際の面積に対応する評価額を求めてから倍率を掛ける
- アパートの敷地や貸宅地は、倍率地域でもそこからさらに減額できる
- 市街化調整区域の雑種地は、倍率を掛けるだけでは終わらない
まずは手元の課税明細書を開いて、価格の欄を確かめましょう。その数字と評価倍率表の倍率さえ揃えば、概算はその場で出せます。
あわせて読みたい








僕が現場にいた当時、地主さんから聞かれていちばん多かったのが「うちの土地の路線価はいくら?」でした。
路線価という言葉だけが世の中に広まっていて、そもそも路線価が付いていない土地のほうが面積で見れば圧倒的に広いという事実は、あまり知られていません。
相続の本を読んで奥行価格補正率の表とにらめっこして、結局その表を使わない地域だった。この空回りを何度も見ています。
順番はひとつです。計算をはじめる前に、まず自分の土地が路線価地域か倍率地域かを確かめてください。ここが決まらないと、読むべき資料そのものが変わります。