空き家の片付け費用は誰が払う?4つの財布と減らす順番

空き家の片付け費用は誰が払う?4つの財布と減らす順番

相続で実家が空き家になり、片付けを業者に頼もうと考え始めた。ところが、その費用を兄弟のうち誰が出すのか、親の口座から払ってよいのか、家を売ってから精算すればよいのかが決まっていない。そうした方に向けた記事です。

2016年から6年間、僕は大手の不動産・建築会社で、地主の方を相手に土地有効活用のコンサルティング営業をしていました。片付けの費用を自分で精算した経験はありません。この記事は、民法と国税庁・国土交通省の情報を土台に、実務で見てきたことを添えて整理したものです。

結論から書きますね。空き家の片付け費用は、金額より先に「どの財布から出すか」を決めるものです。出どころは、相続人の手元資金、親の預貯金、家の売却代金、買取価格への織り込みの4つに分かれます。どれを選ぶかで、払う時期も、相続人どうしで決めておく中身も変わってくるんです。

金額が動く要素や見積書の見方は、空き家の片付けは出口を決めてから始めるにまとめました。この記事では、払い方の決め方と、払う額そのものを減らす順番を扱います。

片付けの料金について、公的な統計は見当たりませんでした。そのため具体的な相場の金額は載せていません。金額は、物の量と家の条件を見た業者の見積もりで決まります。法令と制度は2026年9月時点の内容としてお読みください。

空き家の片付け費用は、払う前に負担の決まり方を知っておく

空き家の片付け費用は、払う前に負担の決まり方を知っておく

相続人が1人なら、自分が払って終わりです。兄弟など相続人が複数いるときは、払う前に民法の2つの決まりを押さえておくと話が進めやすくなります。

決まり1|遺産を分ける前の家財は、相続人全員のもの

相続人が複数いるとき、相続財産はその相続人たちの共有になると民法898条に書かれています。家の中の家具や家電も、遺産の分け方が決まるまでは相続人全員で持っている状態になるわけですね。

共有物については、各共有者がその持分に応じて管理の費用を払い、負担を負うという条文もあります。つまり「片付けを言い出した人が全額払う」と決まっているわけではありません。

決まり2|相続財産に関する費用は、その財産の中から出す

民法885条には、相続財産に関する費用はその財産の中から支弁するという規定があります。ただし、相続人の過失で生じた費用はこの限りではないという但し書き付きです。

片付けの代金が、この条文や共有物の管理の費用に当たるのかどうかまでは、条文に書かれていません。だからこそ、条文で自動的に決まるのを待つのではなく、相続人どうしで先に合意しておくのが出発点になります。話し合いがまとまらない場合、個別の争いに関するご相談は、法律上、弁護士以外がお答えできない決まりがあります。

実務をしていた当時、営業先で、共有名義になった家をめぐって兄弟の話がまとまらないという話を聞いた経験があるんです。僕が担当した案件ではありません。僕自身は、親は自分の家が原因で子どもどうしが争うことを望んでいないと考えています。片付けのお金は金額が小さく見える分、後回しにされがちです。最初に誰がどう払うかを決めておくと、家を売る段階の話し合いも軽くなります。

空き家の片付け費用を出す4つの財布

空き家の片付け費用を出す4つの財布

払う相手が業者でも、自治体でも、お金の出どころは4つに分けられるんですね。それぞれ、払う時期と、相続人どうしで決めておくことが違います。

財布払う時期先に決めておくこと
財布1 相続人の手元資金作業のすぐ後誰が立て替え、いつ精算するか
財布2 親の預貯金遺産分割の前でも可引き出せる上限と、分け方への反映
財布3 家の売却代金決済の日撤去の期限と、差し引く順番
財布4 買取価格への織り込み払わない(価格が下がる)自分で片付けた場合との差

財布1|相続人の手元資金で立て替える

いちばん早く動けるのが、この形です。ただし立て替えた人が黙って払うと、あとで精算を言い出しにくくなります。払う前に、立て替える人と精算の時期を相続人全員に伝えておいてください。

領収書と見積書は、必ず保管しておきます。売ったあとの税金の申告で、何に払ったかを示す材料になるためです。

財布2|親の預貯金から出す

遺産を分ける前でも、親名義の預貯金の一部を相続人が単独で引き出せる仕組みがあります。引き出せる額には上限があり、引き出した分は自分が遺産の一部を受け取った扱いになるんです。中身は次の章で扱いますね。

財布3|家の売却代金から精算する

家を売る予定があるなら、代金が入る決済の日に精算する形も取れます。片付けを売買契約の条件に組み込み、代金から差し引いてから分ける流れです。段取りは4章にまとめました。

財布4|買取価格に織り込んでもらう

家財を残したまま買取業者に引き渡すと、片付けの代金を自分で払う場面はなくなります。その代わり、業者が負担する分だけ買取価格が下がる形です。払わないのではなく、価格の側で差し引かれていると考えてください。比べ方は5章で扱います。

親の預貯金から空き家の片付け費用を出すときの2つの注意

親の預貯金から空き家の片付け費用を出すときの2つの注意

親の口座は、亡くなったことを金融機関が知った時点で動かせなくなるのが一般的です。その状態でも、民法909条の2に基づいて一部を引き出す道が用意されています。

注意1|単独で引き出せる額には上限がある

各相続人が1人で引き出せるのは、口座ごとに、相続開始時の預貯金額の3分の1に、その人の法定相続分を掛けた額までです。さらに、法務省令で1つの金融機関あたり150万円という上限が決められています。

数字を当てはめてみますね。親の預金が600万円で、相続人が子2人なら、1人が引き出せるのは600万円×3分の1×2分の1で100万円までです。片付けの見積もりがこの範囲に収まるかを、先に確かめておきましょう。

注意2|引き出した分は、遺産の一部を受け取った扱いになる

この仕組みで引き出した預貯金は、その相続人が遺産の一部の分割で取得したものとみなされます。片付けに使ったお金でも、引き出した人の取り分から先に出したことになるわけです。

全員の負担にしたいなら、「片付けに充てた分は、遺産分割のときに全員で持つ」と書面で決めておいてください。なお相続放棄を考えている段階なら、預貯金にも家財にも手を付ける前に、家庭裁判所か弁護士へ確認するのが先です。放棄と片付けの関係は空き家の片付けは出口を決めてから始めるで整理しています。

売却代金から空き家の片付け費用を精算する3つの段取り

売却代金から空き家の片付け費用を精算する3つの段取り

家を売ることが決まっているなら、片付けの代金は売却代金から精算する方法が取れるんですね。立て替える人の負担を、決済の日までに限れるのが利点です。

段取り1|誰がいったん立て替えるかを決める

業者への支払いは、作業が終わった時点で求められるのが普通です。決済の日まで業者を待たせることはできないので、誰かが一度立て替える必要があります。立て替える人と上限額を決めてから、見積もりを取ってください。

段取り2|売買契約で、撤去の期限と範囲を決める

仲介で個人に売る場合、家財を撤去してから引き渡す条件になることが多くなります。売買契約書に「引き渡しの日までに売主の負担で撤去する」と書かれていれば、その期限から逆算して業者の日程を組むことになりますね。

残していく物がある場合は、その範囲も契約に書いてもらいます。撤去が間に合わないと、引き渡しそのものが遅れてしまうためです。

段取り3|決済の日に、代金から差し引いてから分ける

決済で代金が入ったら、立て替えた片付けの代金を先に戻し、残りを相続人で分けます。差し引く順番と割合は、売る前に書面で合意しておくのが安全です。

売った代金を相続人で分ける方法は換価分割と呼ばれ、書き方しだいで贈与税の心配が出てきます。手順は換価分割とは?実家を売って分けるときの手順と贈与税を避ける書き方で確かめてください。

実務をしていた当時、家の中の物を置いたままで引き取れる相手と話をまとめる場面がありました。そのとき気を付けていたのは、「これは残しておいてほしい」という話を議事録に取り、契約の条項に落とすことです。口で伝えただけの約束は、作業の当日には誰の記憶にも残っていないと思って動いてください。精算の割合も同じで、紙に残した分だけ、決済の日の話し合いが短くなります。

空き家の片付け費用を買取価格に織り込ませるときは、3つの数字で比べる

空き家の片付け費用を買取価格に織り込ませるときは、3つの数字で比べる

家財ごと買取業者に引き渡す形は、手間がいちばん少なく済む方法です。ただ、お得かどうかは3つの数字を並べないと判断できません。

数字中身どこで分かるか
数字1自分で片付けを頼んだ場合の見積額片付け業者の見積書
数字2家財を残した場合に買取業者が差し引く額買取業者に内訳を聞く
数字3片付けを待つ間にかかる維持費と月数固定資産税や光熱費の通知

数字1|自分で片付けを頼んだ場合の見積額

比べる基準になるのが、この金額です。片付け業者から見積もりを取っておくと、買取業者の提示が高いのか安いのかを判断できるようになります。買取だけで話を決めるつもりでも、1社分は取っておいてください。

数字2|家財を残した場合に、買取業者が差し引く額

買取業者は、自分で負担する片付けの費用を価格に織り込んで提示してきます。「家財を残した場合と、空にした場合で価格がどれだけ違うか」を、はっきり聞いてください。差額が数字1を大きく超えるなら、自分で片付けてから売るほうが手元に残ります。

買取の価格が何によって引かれるのかは、訳あり物件買取はいくらで決まるのかで整理しました。

数字3|片付けを待つ間にかかる維持費と月数

自分で片付けると、売り出しまでに月単位の時間がかかる場合があります。その間も、固定資産税や火災保険、見回りの交通費は出ていくわけですね。数字1に、この維持費を足してから数字2と比べると、比べ方の条件がそろいます。

うちでは、家財が残ったままの空き家でも、状況をうかがったうえで無料査定を行っているんです。空にした場合と残した場合の両方の目安を知りたい方も、お問い合わせからどうぞ。

営業の実務をしていた当時の感覚で言うと、買取は、業者の側がいかに安く仕入れるかを考えて入ってくる取引です。相場を知らない状態で1社の提示だけを見ると、根拠の薄い数字でも比べようがありません。片付けと買取をまとめて請ける形も便利ですが、費用がどちらに乗っているのかが見えにくくなると僕は考えています。複数の業者に、家財を残した場合と空にした場合の価格を並べて出してもらうのが、いちばん確かな比べ方です。

空き家の片付け費用を減らす4つの順番

空き家の片付け費用を減らす4つの順番

どの財布から払うにしても、払う額が小さいほうが相続人どうしの話はまとまりやすくなります。費用を減らすには、業者に頼む量を最後に残った分だけにする順番で進めるのがコツです。

順番やること減らせるもの
順番1自分で運べる物を出す業者の作業量
順番2自治体の収集と持ち込みを使う処分の単価
順番3値段が付く物を売る処分する量
順番4残りを業者に頼む見積もりのぶれ

順番1|自分で運べる物と、残したい物を先に出す

形見や写真、書類のように家族が確かめたい物は、業者に頼む前に自分で出します。あわせて、衣類や食器のように車に積める物も運び出しておくと、業者に残す量がそのまま減るんです。

順番2|自治体の粗大ごみ収集と、処理施設への持ち込みを使う

市区町村の粗大ごみ収集や処理施設への持ち込みは、手数料を自治体ごとに決めています。収集の日程と1回に出せる点数、持ち込みの条件は、家のある市区町村の窓口で確かめてください。

ただしエアコン、テレビ、冷蔵庫と冷凍庫、洗濯機と衣類乾燥機の4品目は家電リサイクル法の対象で、粗大ごみには出せません。リサイクル料金はどこに頼んでもかかる費用として、先に見込んでおきます。

順番3|値段が付く物は、処分する前に売る

家具や骨とう品、工具、着物など、買い手の付く物が残っていないかを先に見ておきましょう。処分すれば費用になる物でも、売れればその分だけ処分する量が減ります。

家財を買い取る事業者には古物商の許可が必要です。許可の照合のしかたは、残置物撤去業者は4つの業種に分かれているにまとめてあります。

順番4|最後に残った分だけを業者に頼む

ここまで進めてから見積もりを取ると、業者が見る物の量はもう確定している状態です。量が決まっていると、複数の業者の見積もりを同じ条件で比べやすくなりますよ。

片付けがすぐに進められない間の家の見回りは、うちの0円空き家管理でお手伝いできます。片付けの順番を組む段階からのご相談も、お問い合わせからどうぞ。

僕は、手元に残るお金は5万円でも10万円でも多いほうがいいと考えています。揉めたくて揉める方はいませんし、少しでも多く残したいのは当たり前の感情です。順番1から3を相続人で手分けするだけで、業者に払う額と、その負担をどう分けるかの話し合いの両方が小さくなります。遠方に住んでいて通えない方は、順番1だけでも近くに住む相続人に頼めないか話してみてください。

空き家の片付け費用について、補助と税金で確かめる3つのこと

空き家の片付け費用について、補助と税金で確かめる3つのこと

片付けの代金は、補助や税金の計算で戻ってくるのかという質問が出やすいところです。結論として、どれも「確かめ方」を知っておくことが大事で、自動的に戻るものはありません。

確認1|国の補助事業に並んでいるのは、除却と活用

国土交通省の空き家対策総合支援事業(令和8年度〜令和12年度)の資料には、市区町村向けの補助対象として、空き家の除却、10年以上活用するための改修、除却後の土地の整備、所有者の特定などが並んでいます。所有者が除却する場合の補助率は、国5分の2、地方公共団体5分の2、所有者5分の1です。

この資料の中に、家財の片付けだけを対象にした項目は見当たりません。家財の処分が補助の対象に入るかどうかは、市区町村が決める制度の中身しだいになります。家のある市区町村の空き家の担当課で、「家財の処分は対象になるか」を名指しで聞いてください。

確認2|売ったときの譲渡費用に入るかは、国税庁の線引きで見る

家を売って利益が出たとき、売るために直接かかった費用は譲渡費用として差し引けるんですね。国税庁は、仲介手数料や、土地を売るために建物を取り壊したときの取壊し費用などを挙げています。一方で、修繕費や固定資産税のような資産の維持や管理のための費用は譲渡費用にならないとしているんです。

家財の片付け代がどちらの側に入るかは、何のために、いつ払ったかで見られることになります。個別の判定は税務署か税理士に確認し、判断の材料になる領収書と見積書を残しておいてください。相続した空き家を売るときの特別控除は、空き家の3,000万円控除は何が変わった?で確かめられます。

確認3|相続税の計算で差し引けるのは、亡くなった時点の債務と葬式費用

相続税を計算するとき、遺産から差し引けるものについて、国税庁は、被相続人が亡くなったときに現に存在した債務で確実と認められるものと、葬式費用を挙げています。

亡くなったあとに頼む片付けの代金は、このどちらとして挙げられているものでもありません。相続税の申告が必要な場合は、片付けの代金をどう扱うかを税理士に確かめてから申告書を作ってください。

実務をしていた当時、動いたあとで制度のことを知り、手元に残るお金で損をしたという方に会いました。制度は、お金を払う前と売る前に知っておくほど、選べる手が多く残ります。片付けの見積もりを取るのと同じタイミングで、補助の窓口と税理士への確認を並べて進めておくと、あとで慌てずに済みますよ。

空き家の片付け費用で揉めないために、相続人どうしで書面にする4項目

空き家の片付け費用で揉めないために、相続人どうしで書面にする4項目

最後に、ここまでの話を1枚の紙にまとめておきます。相続人が複数いるなら、業者に連絡する前に次の4項目を書面にしてください。

項目書いておくこと
項目1誰が立て替えるか、どの財布から出すか
項目2立て替えの上限額
項目3精算の時期と、相続人ごとの負担の割合
項目4残す物と、形見の分け方

項目1|誰が立て替えるか、どの財布から出すか

2章の4つの財布のうち、どれを使うかを決めます。親の預貯金を使う場合は、誰が金融機関の手続きをするかも書いておきましょう。

項目2|立て替えの上限額

見積もりを取る前に、立て替える人が出せる上限を決めておきます。上限を超える見積もりが出たら、改めて全員で相談するという一文も入れておくと安心です。

項目3|精算の時期と、相続人ごとの負担の割合

売却代金から精算するのか、遺産分割の中で調整するのかを決めます。割合は法定相続分に合わせる形もあれば、家を引き継ぐ人が多めに持つ形もあり、全員が納得できる割合を選んでください。

兄弟で相続した家の分け方全体は、空き家を兄弟で相続したら?揉めない分け方と3,000万円控除を人数分使う条件にまとめています。

項目4|残す物と、形見の分け方

片付けの前に、誰が何を持ち帰るかを決めておきましょう。形見の分け方が決まらないまま作業を始めると、費用の精算よりも、こちらで話が止まりやすくなります。

話し合いがまとまらない場合、個別の争いに関するご相談は、法律上、弁護士以外がお答えできない決まりがあります。その場合は弁護士へ相談してください。

まとめ

まとめ

空き家の片付け費用は、金額を比べる前に、払い方を決めておくものです。流れを順番に並べておきますね。

  1. 相続人が複数なら、遺産を分ける前の家財は全員のもの。誰が払うかは条文だけでは決まらないので、先に合意する
  2. 出どころは手元資金・親の預貯金・売却代金・買取価格の4つ。払う時期と決めておくことがそれぞれ違う
  3. 親の預貯金は、口座ごとに3分の1×法定相続分、1つの金融機関あたり150万円まで。引き出した分は自分の取り分から出した扱いになる
  4. 売却代金から精算するなら、立て替える人・撤去の期限・差し引く順番を先に決める
  5. 買取に織り込ませるなら、片付けの見積額・差し引かれる額・待つ間の維持費を並べて比べる
  6. 費用を減らすには、自分で出す→自治体を使う→売る→残りを業者、の順に進める
  7. 補助と税金は自動では戻らない。市区町村の窓口と税理士に確かめ、領収書を残す

空き家の片付けの順番と範囲そのものは、空き家の片付けは出口を決めてから始めるを先に読んでおくと、どこまで片付ければよいかが決めやすくなります。

片付けのお金の話は、家を売る話の前哨戦です。ここで相続人どうしの決め方ができていると、その後の手続きも同じ形で進めやすくなりますよ。

うちでは、家財が残ったままの空き家の無料査定と、片付けが終わるまでの0円空き家管理をお受けしているんです。どの財布から払うのがよいかの整理だけでもかまいません。お問い合わせからご相談ください。

よくある質問

よくある質問

質問1|空き家の片付け費用を、実家から遠い兄弟にも負担してもらえますか

負担してもらう形にできます。遺産を分ける前の家財は相続人全員の共有なので、遠方に住んでいるかどうかで負担の有無は分かれません。ただし割合は相続人どうしの合意で決まるため、作業に通える人が手間を受け持つ代わりにお金の負担を軽くするといった調整を、書面にしておいてください。

質問2|親の口座から引き出して、そのまま業者に払っても大丈夫ですか

民法909条の2の仕組みを使えば、上限の範囲で相続人が単独で引き出せます。ただし引き出した分は、その人が遺産の一部を先に受け取ったものとみなされる点に気を付けてください。全員の負担にしたいなら、片付けに充てたことと、その扱いを書面に残しておきましょう。相続放棄を考えている場合は、引き出す前に家庭裁判所か弁護士へ確認してください。

質問3|片付けの代金は、家を売ったときの税金から差し引けますか

国税庁は、売るために直接かかった費用を譲渡費用とし、維持や管理のための費用は譲渡費用にならないとしています。家財の片付け代がどちらに当たるかは払った目的と時期で見られるため、税務署か税理士に確認するのが確実です。判断の材料として、見積書と領収書は日付の分かる形で残しておいてください。

出典

個別の相続の進め方、税額の計算、相続人どうしの争いに関する判断は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家へのご確認をお願いします。

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高槻 翔太
元・土地活用コンサルタント。宅地建物取引士(試験合格) ・FP2級保有 。 2016年より、大手不動産・建築会社で、土地有効活用のコンサルティング営業を6年間しており、地主様の資産運用・相続税対策を支援 。 現在は不動産特化の専門家として、SUUMOや朝日新聞社「相続会議」など大手メディアを中心に累計1,500記事以上を執筆・監修 。 現場で見てきた「放置空き家の悲劇」や「兄弟間の相続トラブル」を防ぐため、綺麗事抜きで「1円でも多くお金を残し、ご縁を守る」ための本音のノウハウを発信中。 >> 詳しいプロフィールと当サイトの理念はこちら