相続した土地が売れないのは、土地のせいとは限らない|先に片付ける相続側の4つの状態と5つの期限

相続した土地が売れないのは、土地のせいとは限らない|先に片付ける相続側の4つの状態と5つの期限

親から土地を相続した。売るつもりで不動産会社に相談した。そこから話が前に進まないまま、固定資産税の納税通知書だけが毎年届いている。そうした方に向けた記事です。

2016年から6年間、僕は大手の不動産・建築会社で、地主の方を相手に土地有効活用のコンサルティング営業をしていました。相続の当事者として手続きを進めた経験はありません。ただ、名義や分け方が決まらないまま止まっている土地には、実務をしていた当時に行き当たることがありました。

結論から書きますね。相続した土地が売れないとき、原因が土地の条件ではなく相続の手続きにある場合があります。買い手がいないのではなく、売れる状態になっていないわけですね。

この2つは、打つ手がまったく違います。買い手がいないなら値段と売り先の話になりますが、状態が整っていないなら、まず書類と話し合いの話になります。ここを分けずに買取業者を回っても、同じ返事が続くだけですよ。

この記事では切り分けの問いから入って、相続側で止まる4つの状態、先に並べる5つの期限、共有のまま動かす手続き、相続放棄の前に確かめること、相続税が出るのに売れないときの道、最後に4つの出口の順に進みます。

法令は e-Gov法令検索の民法で条文を確かめ、税の取り扱いは国税庁のページで照合しました。2026年9月時点の内容としてお読みください。

相続した土地が売れないときは、2つの問いで切り分ける

相続した土地が売れないときは、2つの問いで切り分ける

売りに出しても動かない土地には、性質の違う2つの原因が混ざっています。ここを分けないまま動くと、効かない手を繰り返すことになります。

先に2つの問いを置いておきますね。

問い答えがイエスなら打つ手の方向
問い1買いたい人が見つからない値段・売り先・土地の整え方
問い2売る手続きに進めない名義・相続人・期限の整理

同じ土地で、両方に当てはまる場合もあります。その場合は問い2を先に片付けてください。状態が整わないうちに値段を下げても、契約まで進まないからですね。

問い1|その土地を買いたい人が、そもそも見つかっていないか

不動産会社に預けたのに問い合わせが来ない。買取業者に聞いたら断られた。こうした状態なら、原因は土地の側にあります。

買い手の数を決めるのは、立地や地目、道路との関係、境界の状態ですね。この型については、地目ごとの壁を整理した田舎の土地が売れないときの5つの壁と5人の買い手と、業者のタイプ別に分けた売れない土地の買取業者は3つのタイプに分かれるが土台になります。

本記事では、この型には深入りしません。扱うのは、次の問い2のほうです。

問い2|買い手の話の前に、売る手続きで止まっていないか

「買いたい人はいるのに契約に進まない」「不動産会社から先に相続の手続きを済ませてほしいと言われた」。こうした状態なら、原因は相続の側にあります。

見分け方は単純です。登記事項証明書に載っている名義が、いまも亡くなった方のままなら、問い2に当てはまります。名義が自分に移っていても、遺産分割が終わっていない、相続人の1人と連絡が取れないといった事情があれば、やはり問い2です。

この型は、時間をかけても自然には解決しません。手続きを進めた分だけしか動かないのが、相続側の特徴になります。

実務をしていた当時、土地の所有者を調べるために登記事項証明書を取ると、名義が現在の居住者よりずっと前の世代で止まっている土地に行き当たることがありました。そうなると、こちらから提案を届ける相手すら分からなくなります。売れないと感じている土地でも、まず登記簿で名義を確かめるところから始めてみてください。買い手の話は、その後で間に合いますよ。

相続の側で売れなくなっている4つの状態

相続の側で売れなくなっている4つの状態

問い2に当てはまったときに、どこで止まっているのかを4つに分けて確かめます。自分がどれなのかが分かれば、次に会うべき相手も決まってきますね。

状態何が起きているか先に会う相手
状態1名義が亡くなった方のまま司法書士
状態2遺産分割が終わらず共有で止まっている相続人・弁護士
状態3相続人の1人と連絡が取れない弁護士・家庭裁判所
状態4相続人に判断能力の落ちた方がいる家庭裁判所・専門職

状態1|名義が亡くなった方のままになっている

登記簿の所有者が亡くなった方のままだと、売主になれる人が登記の上では存在しません。買主が代金を払っても、名義を自分に移せない取引になってしまうわけですね。

この状態は、相続登記を済ませれば解けます。手順と、義務化で何が変わったのかは相続登記が未了の実家の売却は義務化で何が変わったのかをお読みください。査定を受けるだけなら名義が古いままでも可能なので、登記の手配と査定は並行して進めてかまいません。

数世代前の名義で止まっている場合は、相続人の数が一気に増えます。戸籍を集める期間だけで数か月かかる場合があるため、早めに司法書士へ相談してください。

状態2|遺産分割が終わらず、法定相続分の共有で止まっている

遺言も遺産分割協議もないまま時間が経つと、土地は相続人全員の共有になっています。共有の土地をまるごと売るには、共有者全員の同意が必要になります。1人が反対すれば、そこで止まる形ですね。

「売る気はある。ただ、いくらで売るかで折り合わない」という止まり方も、この状態に含まれます。次の手は、反対の理由が金額なのか、売ること自体なのかで変わってきますね。

共有のまま動かす方法は、後の章でまとめて扱います。先に、自分の持分が何分の何なのかを戸籍と登記で確かめておいてください。

状態3|相続人の1人と連絡が取れない

疎遠な兄弟姉妹、面識のない甥や姪、前の配偶者との間の子。連絡先が分からない相続人がいると、協議そのものが開けません。

この状態は、放っておくと悪化します。連絡が取れない相続人がさらに亡くなれば、その方の相続人へ権利が移り、当事者の数が増えていくからです。

打つ手が無いわけではありません。住所が分からないだけなら戸籍の附票で追えますし、追えない場合でも裁判所を使う道が民法に用意されています。こちらも後の章で扱いますね。

状態4|相続人の中に、判断能力が落ちた方がいる

高齢の母親が認知症と診断されている。こうした場合、その方は遺産分割協議に参加できません。協議に加われない人がいるまま結んだ協議は、効力を持たない扱いになります。

対策を打てる時期が限られる点が、この状態の難しいところです。判断能力があるうちにしか選べない方法があり、診断が出た後は家庭裁判所を通す道に絞られます。

判断能力と不動産の関係は、共有名義の場面でも同じ問題として出ます。持分の扱いを含めた整理は共有持分の処分は5つの出口で考えるをお読みください。

実務をしていた当時、グループに家族信託を扱う会社があり、手続きを進めている最中に診断が確定して間に合わなかった事例を知っています。打てる手があったのに、時期を逃したという一点で選べなくなったわけですね。相続した土地が売れずに止まっている場合も、高齢のご家族がいるなら順番を前に倒してください。判断の順番だけでも整理したい方は、お問い合わせからどうぞ。

相続した土地には、先に並べておく5つの期限がある

相続した土地には、先に並べておく5つの期限がある

相続の手続きには期限が付いています。売れないまま時間が過ぎた分だけ、選べたはずの制度が1つずつ閉じていきますよ。

亡くなった日を起点に、5つの期限を並べておきますね。

期限起点からの期間過ぎると何を失うか
期限13か月相続放棄という選択肢
期限210か月相続税の申告と納付の期日
期限33年相続登記の義務を果たす期日
期限43年10か月取得費加算の特例
期限510年遺産分割で特別受益・寄与分を主張する余地

期限1|3か月|相続を承認するか放棄するかを決める

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、承認するか放棄するかを決める必要があります。この3か月は、家庭裁判所に請求すれば伸ばせる場合があると条文に書かれていますね。

財産の全体像が見えないまま3か月が近づいているなら、期間を伸ばす申立てという選択肢があることは知っておいてください。

期限2|10か月|相続税の申告と納付

相続税の申告と納付の期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。土地が売れているかどうかに関係なく、この日は来ます。

売れない土地を含む相続で、いちばん重い期限がここになります。納税資金の作り方は、後の章で3つに分けて扱いますね。

期限3|3年|相続登記の申請義務

相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する義務があります。2024年4月1日より前に相続を知っていた不動産も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。

過料の流れや、相続人申告登記で期限だけをしのぐ方法は相続登記が未了の実家の売却で扱っています。相続登記にかかる登録免許税の免税措置も2027年3月31日で期限を迎えるため、日付が重なる点だけ押さえておいてください。

期限4|3年10か月|相続税を払った人が使える取得費加算

相続で取得した財産を、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売った場合、納めた相続税の一部を取得費に加算できます。実質的に、亡くなった日から3年10か月が期限になります。

使える条件は、その人に相続税が課税されていることです。相続税がかからなかった方には関係しません。空き家の3,000万円特別控除とは併用できない決まりがあるため、どちらを使うかは売る前に決める必要があります。控除の中身は空き家の3,000万円控除は何が変わったで扱っていますよ。

期限5|10年|共有をめぐる手続きで効いてくる期間

相続開始から10年が経つと、遺産分割で特別受益や寄与分を主張できなくなります。法定相続分で分けることになる、という意味ですね。

さらに、連絡の取れない共有者の持分を裁判所の手続きで取得したり譲渡したりする方法は、その持分が相続財産に属する場合、相続開始から10年を経過していないと使えません。10年という区切りは、共有を解消する側から見ると入口が広がる時期になります。

実務をしていた当時、制度を知らないまま進めて損をされた方を見てきました。不動産は、動く前に何を知っているかで結果が変わる場面の連続ですね。相続した土地の場合、期限を知らなかったという理由だけで選択肢が減っていきます。売れないまま止まっているなら、まず亡くなった日から数えた日付を紙に書き出してみてください。

共有のまま動かせないときに使える4つの手続き

共有のまま動かせないときに使える4つの手続き

共有者全員の同意がそろわないときに、まるごと売る以外の道が民法に用意されています。どれも自分ひとりで判断して進める性質のものではないため、位置づけの理解にとどめてください。

手続き1|自分の持分だけを売る

共有物をまるごと売るには全員の同意が要りますが、自分の持分だけなら単独で売れます。買い手は持分を専門に扱う業者が中心で、価格は持分割合をそのまま掛けた額より下がるのが通常です。

他の共有者との関係は、売った後に変わります。買い手が新たな共有者として入ってくるためです。持分売却の実際は共有持分の処分は5つの出口で考えるにまとめてありますよ。

手続き2|共有物分割請求で、裁判所に分け方を決めてもらう

共有物の分割について共有者の間で協議が調わないとき、または協議ができないときは、その分割を裁判所に請求できます。

裁判所が命じられる方法は条文で決まっています。現物を分ける方法と、共有者の1人に他の共有者の持分を取得させて代金を負担させる方法です。どちらもできないとき、または分割で価格が著しく下がるおそれがあるときは、競売を命じることもできます。

手続き3|所在等不明共有者の持分を取得する

共有者が他の共有者を知ることができず、または所在を知ることができないとき、裁判所は請求した共有者に、その所在等不明共有者の持分を取得させる裁判ができる決まりです。取得した側は、時価相当額の支払いを請求されうる立場になります。

条件が1つあります。その持分が相続財産に属し、共同相続人の間で遺産分割をすべき場合には、相続開始から10年を経過していないと使えません。期限5で触れた10年が、ここでも効いてくるわけですね。

手続き4|所在等不明共有者の持分を含めて第三者に譲渡する

連絡の取れない共有者がいる不動産を、他の共有者全員が持分の全部を特定の相手に譲渡することを停止条件として、所在等不明共有者の持分も同じ相手に譲渡する権限を裁判所が与える方法があります。

つまり、全員はそろわないけれど土地をまるごと第三者に売りたい、という場面のための手続きですね。こちらも、持分が相続財産に属する場合は相続開始から10年を経過していないと使えません。

共有をめぐる揉め事は、実務をしていた当時に営業先で聞く話の一つでした。僕自身が担当した案件ではありませんが、共有のまま次の世代へ移ると、面識の薄い親族同士の話し合いになり、そこから動かなくなるという流れは共通していました。揉めたまま持ち続けるより、売って分けるほうが、結果として双方の負担は軽くなるはずですね。なお、個別の争いに関するご相談は、法律上、弁護士以外がお答えできない決まりがあります。具体的な主張の可否は弁護士にご確認ください。

相続放棄を選ぶ前に確かめる3つのこと

相続放棄を選ぶ前に確かめる3つのこと

売れない土地を引き継がない方法として、相続放棄が候補に挙がります。ただ、誤解されたまま選ばれることが多い制度でもありますね。

こと1|3か月の期間は、事情によっては伸ばせる

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に決める決まりです。この期間は、利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所で伸長できると条文に書かれています。

財産や負債の全体が見えないまま3か月が迫っているなら、判断を急ぐより先に、期間の伸長という選択肢があります。

こと2|放棄しても、現に占有していれば保存義務が残る

相続の放棄をした人は、放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているとき、相続人または相続財産清算人に引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって保存する義務を負います。

言い換えると、放棄すれば翌日から無関係になる、という理解は正確ではありません。ただし義務が生じるのは「現に占有している」場合に限られます。遠方の土地に一度も立ち入っていない場合と、実家に住み続けている場合とでは、扱いが変わるわけですね。

こと3|土地だけを切り離して放棄することはできない

相続放棄は、その人が最初から相続人ではなかったものとして扱われる制度です。売れない土地だけを外して、預貯金は受け取るという選び方はできません。

さらに、自分が放棄すれば次の順位の相続人へ権利が移ります。兄弟姉妹や甥・姪へ話が回る形になるため、放棄する前に誰へ移るのかを確かめておいてください。個別の判断は弁護士や司法書士にご確認いただくのが確実です。

売れない土地への対処として真っ先に名前が挙がるのが、相続放棄ですね。ただ実際には、3か月という期間と、財産全体を手放すという効果の2つが同時にかかってきます。土地の価値を調べ終える前に期間が来てしまう、という順番の問題が起きやすい制度ですね。判断の材料がそろっていない段階なら、期間の伸長という選択肢があることを先に知っておいてください。

相続税が出るのに土地が売れないときの3つの道

相続税が出るのに土地が売れないときの3つの道

相続税の納付期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月と決まっています。土地が売れていなくてもこの日は来るため、納税資金をどう作るかが現実の問題になります。

国が用意している道は、原則の一括納付を含めて3つです。

道1|延納で、年払いに切り替える

相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする事由がある場合、申請により、納付を困難とする金額を限度として、担保を提供して年賦で納付できます。これが延納です。

延納期間中は利子税がかかる点に注意してください。延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下であれば担保の提供は不要という決まりもあります。申請の期限は、期限内申告なら申告期限と同じ日です。

道2|物納は、売れない土地ほど通りにくい

延納によっても金銭で納付することが困難な場合に、一定の相続財産そのもので納める物納という方法があります。物納に充てられる財産には順位があって、不動産は第1順位です。

ここで知っておきたい点があります。物納に充てられるのは、管理処分不適格財産に該当しない財産だけです。国税庁が不適格の例として挙げているのは、次のような財産ですね。

  • 権利の帰属について争いがある不動産
  • 境界が明らかでない土地
  • 他の土地に囲まれて公道に通じない土地で、通行権の内容が明確でないもの
  • 2人以上の者の共有に属する不動産
  • 担保権の設定の登記がされている不動産

つまり、売れない理由として挙がりやすい条件が、そのまま物納できない理由にもなっています。「売れないなら国に納めればいい」という見込みは立てにくいわけですね。

道3|売る順番を変えて、納税資金を先に確保する

相続財産に他の資産があるなら、売れない土地を待つのではなく、先に売れるものから資金を作る順番も選べます。預貯金の配分を、分け方の話し合いに含める方法もありますよ。

どの道を選ぶかは相続税額と財産の中身で変わります。個別の税額計算や、延納・物納の要件に当たるかどうかの判断は、税理士にご確認ください。

実務をしていた当時、活用の相談を受けた土地であっても、借り手の見込みが読めない場所では建てないという判断をお伝えしていました。分かれ目になるのは立地と回収の見通しで、そこがそろわない土地に費用を入れても、負担だけが積み上がるからですね。相続した土地が売れないという状況は、その判断がすでに出ているという見方もできます。残すか手放すかを決めるほうが、納税資金の組み立ても早くなりますよ。

相続した売れない土地を手放す4つの出口

相続した売れない土地を手放す4つの出口

相続側の状態が片付いたら、出口を並べます。売るという道だけで考えると、選べる幅が狭くなってしまいますよ。

出口向いている状況押さえる点
出口1現状のまま早く手放したい価格は仲介より下がる
出口2隣地の所有者に使い道がある相手の事情で決まる
出口3買い手が見つからない更地要件と負担金がある
出口4決めきれない期間がある管理だけ先に確保する

出口1|買取業者に、現状のまま売る

残置物が入ったままでも、境界が未確定でも、引き取れる業者があります。仲介より価格は下がる代わりに、時期を自分で決めやすいのが買取の性質ですね。

業者のタイプごとの見方と、有料の引き取りサービスとの見分け方は売れない土地の買取業者は3つのタイプに分かれるで扱っています。費用を先に払う形の話が出たら、それは買取ではない可能性がありますね。

出口2|隣の土地の所有者に声をかける

その土地を使える理由がいちばんはっきりしているのは、隣の土地の所有者です。自分の敷地が広がる、道路に出やすくなる、といった理由が相手の側に生まれるからですね。

声のかけ方と注意点は田舎の土地が売れないときの5人の買い手にまとめてあります。境界の確認を先に済ませておくと、話が具体的になりやすいです。

出口3|相続土地国庫帰属制度で、国に引き取ってもらう

相続または相続人に対する遺贈で土地を取得した人が申請でき、承認されれば負担金を納めて所有権が国に移ります。建物がある土地や境界が明らかでない土地は申請の段階で却下される決まりです。

審査手数料と負担金の額、却下と不承認の分かれ目は田舎の土地が売れないときの4つの出口で扱っています。共有の土地でも、共有者全員が共同で申請すれば可能な点は押さえておいてください。

出口4|0円空き家管理で、決めるまでの時間をつくる

相続人の間で方針が決まらない、期限までに結論が出ない。こうした状況では、決めるまでの間を持たせる方法もあります。

建物が残っている場合、管理されないまま置かれた空き家は傷みが進みます。うちでは0円空き家管理をご案内しているので、結論を出すまでの期間を確保したい方はお問い合わせからご相談ください。

出口を並べたときに、すべてが同時に開いているとは限りません。国庫帰属は建物を解体してからでないと申請できませんし、買取は残置物が入ったままでも進められます。順番の付け方で、必要になる費用が変わってきますね。相続した土地が売れずに止まっている段階でも、どの出口が現実的かの整理だけは先にできますよ。

まとめ

まとめ

相続した土地が売れないときの動き方を、順番に整理しておきますね。

  1. 「買い手がいない」のか「売れる状態になっていない」のかを分ける。後者なら、値段を下げても動かない
  2. 相続側の4つの状態のどれかを特定する。名義・共有・連絡不通・判断能力のどこで止まっているか
  3. 亡くなった日から5つの期限を書き出す。3か月・10か月・3年・3年10か月・10年
  4. 共有で止まっているなら、持分売却と裁判所の手続きを位置づけとして知っておく。具体的な進め方は弁護士へ
  5. 相続税が出るなら、延納と物納の条件を先に確かめる。売れない土地ほど物納には通りにくい
  6. 状態が片付いたら、4つの出口を並べる。買取・隣地・国庫帰属・管理して待つ

名義の手続きから確かめたい方は相続登記が未了の実家の売却は義務化で何が変わったのかを先にお読みいただくと、次にやることが決めやすくなるはずです。

相続した土地が売れない状態は、置いておくほど当事者が増えていきます。次の相続が起きれば、話し合う相手の数はさらに増えてしまいます。

うちでは、相続した土地や空き家の状況をうかがったうえで、手放す場合の出口をご案内しています。どこで止まっているのかの整理だけでもかまいません。お問い合わせからどうぞ。

よくある質問

よくある質問

質問1|名義が亡くなった親のままでも、査定だけは受けられますか

受けられますよ。査定は土地の条件を見て価格の見込みを出す作業なので、名義の状態とは切り離して進められます。ただし契約と引き渡しには相続登記が必要になるため、査定を取りながら登記の手配も並行して進めるのが早い順番ですね。

質問2|相続人の1人が反対しているだけで、まるごと売ることはできませんか

共有物をまるごと売るなら、共有者全員の同意が必要です。自分の持分だけを単独で売る方法と、裁判所に分割を請求する方法が民法に用意されていますよ。どちらを選ぶかは相手との関係や金額で変わるため、個別の争いに関するご相談は、法律上、弁護士以外がお答えできない決まりがあります。弁護士にご確認ください。

質問3|売れない土地でも、相続税の物納に使えますか

使えない場合があります。境界が明らかでない土地、2人以上の共有に属する不動産、権利の帰属に争いがある不動産などは、管理処分不適格財産として物納に充てられません。そもそも物納は、延納によっても金銭で納付することが困難な場合に申請できる制度です。要件に当たるかどうかは税理士にご確認ください。

質問4|相続放棄をすれば、その土地の固定資産税も止まりますか

放棄が認められれば、その人は最初から相続人ではなかった扱いになるため、以後の納税義務者にもなりません。ただし放棄の時に現に占有している財産については、引き渡すまでの間、保存する義務が残る決まりです。滞納がすでにある状態での動き方は固定資産税が払えないときは期限の前と後で打つ手が変わるにまとめてあります。

出典

個別の相続の進め方、税額の計算、共有者との争いに関する判断は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。

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高槻 翔太
元・土地活用コンサルタント。宅地建物取引士(試験合格) ・FP2級保有 。 2016年より、大手不動産・建築会社で、土地有効活用のコンサルティング営業を6年間しており、地主様の資産運用・相続税対策を支援 。 現在は不動産特化の専門家として、SUUMOや朝日新聞社「相続会議」など大手メディアを中心に累計1,500記事以上を執筆・監修 。 現場で見てきた「放置空き家の悲劇」や「兄弟間の相続トラブル」を防ぐため、綺麗事抜きで「1円でも多くお金を残し、ご縁を守る」ための本音のノウハウを発信中。 >> 詳しいプロフィールと当サイトの理念はこちら