ゴミ屋敷の売却はそのままか片付けてからか|決める4つの基準

ゴミ屋敷の売却はそのままか片付けてからか|決める4つの基準

親が暮らしていた家や相続した実家が、物であふれたゴミ屋敷の状態になっている。売れるのか、先に片付けるべきなのかが分からず、手が止まったまま。そうした方に向けた記事です。

2016年から6年間、僕は大手の不動産・建築会社で、地主の方を相手に土地有効活用のコンサルティング営業をしていました。この記事は、民法や空家法の条文を土台に、実務で見てきたことを添えて整理したものです。

結論から書きますね。ゴミ屋敷の状態でも、家を売ること自体はできます。止まっている原因の多くは、「そのまま売るか、片付けてから売るか」を決めないまま、見積もりや査定に動いてしまうことにあるんです。

そして、この判断は片付け費用の安さだけでは決まりません。ゴミの下に何が隠れているかを売主も知らないまま売ると、引き渡した後の責任が残るからです。

この記事では、3つの売り方、決める4つの基準、売主の責任と買主に伝えること、契約書に書き込む項目、売却が止まる場面、進める手順の順に進みます。

法令はe-Gov法令検索で条文を確かめました。2026年9月時点の内容としてお読みください。

ゴミ屋敷の売却は、誰が片付けるかで3つの売り方に分かれる

ゴミ屋敷の売却は、誰が片付けるかで3つの売り方に分かれる

ゴミ屋敷を売る方法は、呼び名こそいろいろあります。けれども、「片付けを誰がやるのか」という1点で整理すると、3つに収まるんです。

売り方片付けるのは主な買主売主の手間
方法1 そのまま買取買主(業者)不動産の買取業者小さい
方法2 片付けてから仲介売主一般の個人大きい
方法3 片付けて解体し、土地で売る売主個人・建築業者いちばん大きい

方法1|ゴミ屋敷の状態のまま、買取業者に売る

家の中の物を残したまま、業者に買い取ってもらう方法です。片付けと処分を買主側が引き受ける分、その費用は買取価格から差し引かれる形になります。

ゴミ屋敷そのままの売却を受ける業者は、中を見たうえで、片付けにかかる費用と直す費用を見込んで値段を出します。価格の引かれ方の考え方は訳あり物件買取の価格の決まり方が参考になるはずです。

実務をしていた当時、家の中の物を残したまま引き渡せる売り先があることを、所有者の方にお伝えする場面がありました。そのときに欠かせなかったのが、「これは残してほしい」「これは持ち出す」という取り決めを記録に残し、契約書に落とすことです。口頭の約束だけだと、引き渡しの後で言った言わないになります。そのまま売る場合も、残す物と持ち出す物の線引きだけは売主が決めておいてください。

方法2|片付けてから、仲介で一般の買主に売る

売主が先に家を空にしてから、不動産会社の仲介で買主を探す方法です。中が見える状態で内覧してもらえるので、買主が価格を判断しやすくなります。

その代わり、片付けの費用と時間は売主が先に負担します。片付けの順番や範囲の決め方は空き家の片付けは出口を決めてから始めるで扱っていますので、あわせてお読みください。

方法3|片付けて解体し、土地として売る

建物に使い道がない場合、片付けたうえで解体し、更地にして売る方法もあります。解体の前には、所有者が家の中の物を処理しておく必要がある、というのが環境省の通知の考え方です。

解体工事で出る廃材の処理は工事の元請業者の責任ですが、所有者が残した物の処理責任は所有者にあると整理されています。つまり、方法3を選ぶと、片付けと解体の両方の費用を売主が負うことになるわけですね。

出典:環境省「建築物の解体時等における残置物の取扱いについて(通知)」(平成30年6月22日付け)

ゴミ屋敷の売却を、そのままか片付けてからかで決める4つの基準

ゴミ屋敷の売却を、そのままか片付けてからかで決める4つの基準

3つの売り方のどれが合うかは、家の状態と売主の事情で変わります。次の4つの基準に順に答えていくと、自分の家がどちら寄りなのかが見えてきますよ。

基準そのまま売る寄り片付けてから売る寄り
基準1 建物の使い道解体が前提住める・直せば住める
基準2 片付けの費用と価格の差差が片付け費用を下回る差が片付け費用を上回る
基準3 期限と距離期限が近い・遠方時間がある・通える
基準4 家の中の物探す物が少ない探す物・残す物が多い

基準1|建物に使い道が残っているか

最初に確かめるのは、ゴミを出した後の建物が、住む家として使えるかどうかです。築年数が古く、雨漏りや床の傷みで直す費用が大きいなら、買主は解体を前提に考えます。

解体が前提の家を、売主が費用をかけて片付けても、その分を価格で取り戻すのは難しくなりがちです。反対に、建物に住める見込みがあるなら、片付けて中を見せることで買主の層が広がります。

基準2|片付け費用と、上がる価格の差を比べられるか

2つ目は、片付けにかかる費用と、片付けたことで上がる価格を比べる視点です。片付け費用は、物の量・部屋数・運び出しの条件で大きく変わり、業者の見積もりで決まります。

比べるには、「そのまま売った場合の価格」と「片付けた後の価格」を、同じ不動産会社や買取業者から両方聞いておくのが近道です。上がる価格が片付け費用を下回るなら、そのまま売るほうが手元に残る計算になります。

実務をしていた当時、グループの売買部門の担当者と一緒に動くことがありました。仲介の収入は手数料なので、手間のわりに価格の安い物件は、収入の少ない案件になりがちです。同じ会社の中でも、手を貸してくれる担当者と、最初から引き受けない担当者の両方がいました。ゴミ屋敷を見て渋い顔をされても、それは家の最終的な評価ではありません。そのままの価格と片付けた後の価格を、別の相手にも聞いてから決めてください。

基準3|売るまでの期限と、家までの距離はどうか

3つ目は時間の条件です。相続した空き家の3,000万円特別控除のように、売る時期に期限がある制度を使いたいなら、片付けに何か月もかけられません。要件と期限は空き家の3,000万円控除は何が変わった?で確かめておくと安心ですね。

家が遠方にあり、通うたびに交通費と休みが要る場合も、そのまま売る側に傾きます。自分で片付けに通う回数を数えてみると、判断しやすくなるはずです。

基準4|家の中に、探し出す物・残す物がどれだけあるか

4つ目は、家の中身そのものです。権利証や通帳、遺言書のように、売る前に必ず探し出す物が見つかっていないなら、そのまま業者に渡すのは早すぎます。

探す物が見つかり、残したい思い出の品も持ち出せたなら、残りは量の問題だけになります。そこまで進んでいれば、そのまま売っても後悔は少なくて済むでしょう。

どちらに寄るか決めきれない場合も、一緒に整理するところからお手伝いが可能です。うちでは、ゴミ屋敷の状態のままの無料査定と、片付けた後の価格の目安を並べてお伝えしています。お問い合わせからどうぞ。

ゴミの下に隠れた不具合が問題になる3つの理由

ゴミの下に隠れた不具合が問題になる3つの理由

ゴミ屋敷の売却でいちばん見落とされやすいのが、この点です。物で床や壁が覆われていると、売主も買主も建物の状態を確かめられないまま話が進んでしまいます。

理由1|床・壁・水回りの傷みが、物の下で進んでいる

長く物が積まれた床は、湿気がこもり、下地が傷んでいることがあります。雨漏りの跡、シロアリの被害、水回りの配管の不具合も、物をどかして初めて見えるものです。

そのまま売る場合、こうした不具合は「あるかもしれないし、ないかもしれない」状態で引き渡されます。価格を決める側が見えない部分を大きめに見込むのは、このためなんです。

理由2|臭いや害虫の跡は、片付けても残ることがある

生ごみや食べ残しが長く置かれていた家では、臭いが床や壁の材料にしみ込んでいる場合があります。物を運び出しただけでは消えず、床材や壁紙の張り替えが必要になるケースもあるんです。

片付けてから売るつもりでも、ここまでの工事が要るかどうかで費用は変わります。見積もりを取るときは、運び出しだけか、清掃や消臭まで含むのかを分けて聞いてください。

理由3|売主自身が、家の中に何があるかを知らない

親が一人で暮らしていた家では、子どもでも中の様子を長く見ていない場合があります。何が隠れているのか分からないまま売ると、後から「知らなかった」では済まない場面が出てくるんです。

長く手の入っていない家は、持ち主自身も中に何があるのか分からなくなっている、と僕は考えています。分からないまま丸ごと渡すと、価値のある物や大事な書類が出てきても、こちらでは把握できません。実例として見たわけではありませんが、構造としては起こり得る話です。そのまま売る場合でも、一度は中に入り、目に見える範囲だけでも写真で記録を残しておいてください。

ゴミ屋敷の売却で売主が負う責任|民法の3つの決まり

ゴミ屋敷の売却で売主が負う責任|民法の3つの決まり

不動産の売主は、引き渡した家が契約の内容に合っていないとき、買主に対して責任を負います。これを契約不適合責任と呼び、中身を定めているのは民法の条文です。

決まり条文中身
決まり1 直す・値引く・賠償する562条・563条・564条修補や代金の減額、損害賠償、解除の請求を受ける
決まり2 1年の通知期間566条知ってから1年以内の通知が必要。ただし例外あり
決まり3 免責の特約の限界572条知りながら告げなかった事実は免れない

決まり1|契約に合わない家を渡すと、修補や減額を求められる

引き渡した家の品質が契約の内容に合わないとき、買主は修補などによる追完を求められます(民法562条)。追完がされなければ代金の減額を、さらに損害賠償や契約の解除を求める道も開いています。

ゴミ屋敷の売却で問題になるのは、「契約の内容」をどう書いたかです。不具合の可能性を契約書に書いていなければ、見えなかった傷みも「契約に合わない」と扱われる余地が残ります。

決まり2|買主が知ってから1年以内に通知がなければ、請求できなくなる

品質の不適合について、買主が知った時から1年以内に売主へ通知しないと、原則として請求できなくなります(民法566条)。ただし、売主が引き渡しの時点で不適合を知っていた場合や、重大な過失で知らなかった場合は、この期間の制限が働きません。

つまり、雨漏りを知っていて黙っていた売主は、1年を過ぎても責任を問われ得るわけです。

決まり3|責任を負わない特約があっても、知っていて告げなかった事実は免れない

買取では、「売主は契約不適合責任を負わない」という特約を付けることがあります。けれども民法572条によれば、この特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実の責任は免れません。

免責の特約は、売主が知らなかった不具合から売主を守るものです。知っている不具合を伝えずに済ませる道具にはならない、と覚えておいてください。

ゴミ屋敷の売却で買主に伝える3つのこと

ゴミ屋敷の売却で買主に伝える3つのこと

民法の決まりを踏まえると、売主がやるべきことは1つに絞られます。知っていることは、書面で買主に伝えておくことです。

伝えること1|分かっている不具合と、確かめられなかった場所

雨漏り、床の傷み、設備の故障など、売主が知っている不具合はすべて書き出します。加えて、物で覆われて確かめられなかった部屋や場所も、「未確認」として書いておくのがポイントです。

仲介を頼む場合、不動産会社は物件の状況を書き込む報告書を売主に渡してきます。宅地建物取引業法は、業者が買主の判断に重要な影響を与える事実を故意に告げないことを禁じています(47条)。売主が業者に伝えたことは、そのまま買主へ届く仕組みだと考えてください。

伝えること2|その家で人が亡くなり、特殊清掃が行われたかどうか

ゴミ屋敷では、住んでいた方が家の中で亡くなり、発見が遅れることもあります。国土交通省のガイドラインでは、老衰や病気による自然死は原則として告げなくてよい一方、特殊清掃などが行われた場合はその扱いから外れる、という整理です。

売買には、時間がたてば告げなくてよくなるという年数の定めも置かれていません。線引きの詳しい中身は事故物件の売却は「告げる中身」で売り先が決まるにまとめています。

出典:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」について

伝えること3|近隣からの苦情や、市区町村からの指導の有無

悪臭や害虫について近所から苦情を受けていた、市区町村から指導の文書が届いていた。こうした経緯は、買主が引き渡しの後に近所づきあいを始めるうえで、判断に関わる事実になります。

指導の文書が手元にあるなら、写しを買主に渡せるようにしておきましょう。隠したまま売って後から伝わると、決まり3の「知りながら告げなかった事実」に当たるおそれがあります。

ゴミ屋敷をそのまま売る契約書に書き込む4項目

ゴミ屋敷をそのまま売る契約書に書き込む4項目

そのまま売ると決めたら、家の中の物の扱いは契約書で決め切ってください。ゴミ屋敷の売却でもめる場面の多くは、物の扱いが契約書に書かれていないところから始まるんです。

項目1|家の中の物の所有権と、処分を誰が行うか

引き渡しの時点で家の中に残っている物について、売主が所有権を手放すこと、処分は買主が行うことを書きます。これがないと、後から「処分費を払ってほしい」「勝手に捨てられた」という話になりかねません。

項目2|持ち出す物と残す物の一覧

売主が持ち出す物、あえて残していく物(エアコンなど)を一覧にし、契約書の別紙にします。方法1で触れた「残す物の取り決め」を、ここで書面に落とすわけですね。

項目3|責任を負わない範囲と、告げた事実

契約不適合責任を負わない特約を付けるなら、その範囲を書きます。同時に、伝えること1〜3で書き出した内容を、告知した事実として契約書か別紙に残してください。

書面に残っていれば、「告げなかった事実」と言われる余地を小さくできます。訳あり物件全般の契約書の見方は訳あり物件の売却は「訳」の中身で売り先が決まるでも扱いました。

項目4|引き渡しの日と、その日までの家の状態

引き渡しの日までに売主が何をしておくのかを決めます。持ち出す物を運び終えておく、鍵をすべてそろえる、といった内容を具体的に書くのがコツです。

引き渡しまでに近所から苦情が来た場合に、誰が対応するのかも決めておくと安心ですね。

ゴミ屋敷の売却が止まる4つの場面と、それぞれの手当て

ゴミ屋敷の売却が止まる4つの場面と、それぞれの手当て

売り方と契約の中身が決まっても、家の外側の事情で話が止まることがあります。先に当てはまるものがないかを確かめておきましょう。

場面止まる理由手当て
場面1 名義が亡くなった親のまま売主として登記できない相続登記を先に済ませる
場面2 住宅ローンが残っている抵当権が外れない金融機関と話す
場面3 相続人の間で決まっていない売る人と分け方が決まらない話し合い・専門家
場面4 近隣の苦情・行政の指導時間の余裕がなくなる管理と売却を並行する

場面1|名義が亡くなった親のままになっている

登記の名義が亡くなった親のままだと、そのままでは売主として手続きを進められません。先に相続登記を済ませ、売る人の名義にしておく必要があります。

相続登記には申請の期限もあります。期限と動く順番は相続登記が未了の実家は売却できるかで確かめてください。

場面2|住宅ローンが残っていて、売っても返しきれない

ローンが残っている家には、金融機関の抵当権が付いています。売る代金でローンを返しきれない場合、抵当権を外してもらうには金融機関の同意が欠かせません。

同意を得て市場で売る方法は、任意売却と呼ばれています。返済が滞っているなら、滞納が長引く前に借入先へ相談するのが先決です。

場面3|相続人の間で、売るかどうかが決まっていない

相続人が複数いると、誰が売主になり、代金をどう分けるかを決めなければ進みません。ゴミ屋敷の片付けを誰が負担するかで、話し合いが止まることもあります。

片付け費用を代金から差し引いて分けるのか、先に誰かが立て替えるのかを、売る前に決めておきましょう。話し合いがまとまらない場合、個別の争いに関するご相談は、法律上、弁護士以外がお答えできない決まりがあります。弁護士にご確認ください。

場面4|近隣から苦情が出ている、市区町村から指導を受けている

空き家のゴミ屋敷は、空家法の対象になり得ます。空家法は、著しく衛生上有害となるおそれのある状態の空き家を「特定空家等」とし、市区町村長が助言・指導、勧告、命令と段階を踏んで措置を求められる仕組みです。

その手前の段階の空き家も「管理不全空家等」として、指導や勧告の対象になります。勧告を受けると、その敷地は固定資産税の住宅用地の特例から外れます。売る準備に時間がかかるなら、悪臭や害虫が外に出ない程度の手入れを先に進めてください。

なお、空家法が対象にするのは、人が住んでいないことが常態になっている家です。親がまだ住んでいる場合は、この法律ではなく、自治体ごとの取り組みで扱われることになります。

出典:e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」(第2条・第13条・第22条)/e-Gov法令検索「地方税法」(第349条の3の2)

実務をしていた当時、空き家の隣にお住まいの方から、火事や害虫、臭いへの不安を伺ったことがあります。親の代には付き合いがあったのに、子の代で手が入らなくなって悲しい、という声もありました。近所の方にとって、ゴミ屋敷は売れるかどうかより、今の暮らしに関わる問題なんです。売却までに時間がかかるなら、そのことを一言伝えておくだけでも受け止め方は変わりますよ。

ゴミ屋敷の売却を進める5つのステップ

ゴミ屋敷の売却を進める5つのステップ

ここまでの内容を、動く順番に並べ直します。片付けの見積もりより先に、ステップ1と2を済ませておくのが要点です。

ステップ1|名義・ローン・相続人の状況を確かめる

登記の名義、ローンの残り、相続人の顔ぶれを先に確かめます。7章の4つの場面に当てはまるものがあれば、売り方を選ぶ前にそちらから手を付けてください。

ステップ2|家に入り、探す物を拾い、見える範囲を写真に残す

権利証・通帳・遺言書など、売る前に必要な物を探し出します。あわせて、各部屋と気になった傷みを写真に撮っておくと、後で買主に伝える材料になります。

片付けを業者に頼むかどうかを考えるなら、許可の確かめ方は残置物撤去業者は4つの業種に分かれているにまとめました。家庭から出る物の収集や運搬を業として行うには、市区町村長の許可が要る決まりです。

出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(第7条第1項)

ステップ3|そのままの価格と、片付けた後の価格を両方聞く

同じ家について、「そのまま売った場合」と「片付けた後に売った場合」の価格を、複数の相手に聞きます。同じ写真と同じ情報を渡して聞くと、相手ごとの差が比べやすくなりますね。

実務をしていた当時の感覚で言うと、買取業者は自分で直して売り直す前提で値段を付けるので、できるだけ安く仕入れたい立場にあります。相場を知らずに1社の数字だけを見て決めると、その数字が高いのか低いのかを判断できません。ゴミ屋敷のように見えない部分が多い家ほど、価格の根拠を言葉で説明してもらうことが大事です。差し引いた費用の内訳を聞き、説明の筋が通る相手を選んでください。

ステップ4|4つの基準で売り方を決め、伝える事実を書き出す

2章の4つの基準に当てはめて、そのまま売るか片付けてから売るかを決めます。決めたら、5章の伝えること1〜3を1枚の紙に書き出しておきましょう。

ステップ5|契約書に4項目を書き込み、引き渡しまでを管理する

そのまま売るなら6章の4項目を、片付けてから売るなら片付けの完了日と引き渡しの日を契約書に落とします。引き渡しまでの間も、家の管理責任は売主の側に残ったままです。

遠方で見回りに通えない場合も、ご相談ください。うちでは、ゴミ屋敷の状態に合わせた無料査定と、売れるまでの間の0円空き家管理のご案内をしています。お問い合わせからどうぞ。

まとめ

まとめ

ゴミ屋敷の売却を進める順番を、最後に整理しておきますね。

  1. 売り方は、誰が片付けるかで3つに分かれる。そのまま買取・片付けてから仲介・解体して土地で売る
  2. そのままか片付けてからかは、4つの基準で決める。建物の使い道・費用と価格の差・期限と距離・家の中の物
  3. ゴミの下の不具合は、売主も知らないまま渡りやすい。見える範囲を写真に残しておく
  4. 売主は契約不適合責任を負い、知っていて告げなかった事実は特約でも免れない
  5. 知っていることと、確かめられなかった場所は、書面で買主に伝える
  6. そのまま売るなら、物の所有権と処分・一覧・免責の範囲・引き渡しの状態を契約書に書く
  7. 名義・ローン・相続人・近隣と行政の4つの場面は、売り方より先に手当てする

訳あり物件の売り先全体から考えたい方は、訳あり物件の売却は「訳」の中身で売り先が決まるを先にお読みいただくと、ゴミ屋敷の位置づけがつかみやすくなるはずです。

ゴミ屋敷の状態でも、売る順番さえ決まれば家は動きます。片付けの見積もりを取る前に、まず売り方を決めるところから始めてください。

うちでは、ゴミ屋敷の状態のままの無料査定と、片付けた後の価格の目安を並べてお伝えしています。どちらで売るか決まっていない段階のご相談でもかまいません。お問い合わせからどうぞ。

よくある質問

よくある質問

質問1|ゴミ屋敷の状態のまま、仲介で個人に売ることはできますか

できますが、買主が見つかるまでに時間がかかりやすくなります。個人の買主は、中を見られない家や、直す費用の読めない家を住宅ローンで買う判断がしにくいからです。仲介で売りたい場合でも、少なくとも床や水回りが見える程度まで物を減らしてから内覧に出すと、話が進みやすくなります。

質問2|「現状のまま・責任は負わない」という契約なら、後から何も言われませんか

言われないとは限りません。民法572条により、責任を負わない特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実については責任が残ります。雨漏りや床の傷み、行政からの指導など、知っていることは書面で伝えたうえで特約を付けてください。売った後に買主ともめている場合、個別の争いに関するご相談は、法律上、弁護士以外がお答えできない決まりがあります。

質問3|親がまだ住んでいるゴミ屋敷を、子どもが代わりに売ることはできますか

名義が親なら、売るかどうかを決めるのは親本人です。子どもが代わりに売るには、親から任されていることが前提になり、親の判断能力が落ちている場合は後見の手続きが必要になる場面もあります。まずは親と一緒に、住み続けるのか、住み替えるのかを話すところから始めてください。親が住んでいるうちは空家法の対象外なので、困りごとがあれば市区町村の窓口に相談先を尋ねるのが近道になります。

出典

個別の売却の進め方、税額の計算、相続人どうしの争いに関する判断は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。

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高槻 翔太
元・土地活用コンサルタント。宅地建物取引士(試験合格) ・FP2級保有 。 2016年より、大手不動産・建築会社で、土地有効活用のコンサルティング営業を6年間しており、地主様の資産運用・相続税対策を支援 。 現在は不動産特化の専門家として、SUUMOや朝日新聞社「相続会議」など大手メディアを中心に累計1,500記事以上を執筆・監修 。 現場で見てきた「放置空き家の悲劇」や「兄弟間の相続トラブル」を防ぐため、綺麗事抜きで「1円でも多くお金を残し、ご縁を守る」ための本音のノウハウを発信中。 >> 詳しいプロフィールと当サイトの理念はこちら